マインドマップ(2) 理論
何枚かマインドマップを書いたところで、トニー=ブザンの「頭がよくなる本」を読んだ。理論から入るよりも、実際に使ってみて感触をつかんだあとできちんと勉強した方が頭に入りやすい。これはプログラム言語や外国語を習得するときも同じだ。いきなり文法書を読んでも頭に入らないし、だいいち面白くない。実践から理論、そしてもう一度実践へという繰り返しが、新しいものを学ぶときによいと思う。
マインドマップにはいくつか決まりがあるのだが、私が重要だと思うのは、「キーワードで書くべし」というルールだ。文章、あるいは文の断片を書くのがいままでのノート法だった。キーワードとキーワードを繋いでいくマインドマップは、すばやく手軽に書け、情報の関連を整理しやすい。また、キーワードをきちんと選べば、そのキーワードがきっかけとなって、本の内容を思い出すことができる。マインドマップをアウトプットに使う場合は、ひとつのキーワードに触発されて、新しいキーワードを思いつき、キーワードを書き連ねていくことで、発想をふくらませていくことができる。
ただし、これまでのノート法から完全に脱却しきれていない。前回の記事のマインドマップに文がたくさん書いてあるのはそのためだ。何枚もマインドマップを書いているうちに、徐々にキーワードで書けるようになってきた。
以前は、講演資料を作るときにアウトラインプロセッサ(Nami 2000やアイデアツリー)を使って考えをまとめていた。大項目から小項目へブレークダウンしてアイディアをまとめていくという点で、マインドマップとアウトラインプロセッサは似通っている。しかし発想のためのツールとしてみた場合、キーワードで発想を広げていくマインドマップの方が自由に書ける感じがする。
アウトラインプロセッサも、文章ではなくキーワードで書くという方法を使えば同じような使い方ができそうだ。見方を変えるとマインドマップも結局は大項目から小項目というツリー構造の図を書いていることになる。一見似ているようだが、決定的に違うのは、ベースとなるイメージを中心におき、それをいつも見ながらキーワードを連ねていくことと、全体が一度に見渡せることだろう。アウトラインプロセッサの場合は、主題は一番上にあり、中項目や小項目を描いていくと、やがて見えなくなってしまう。全体を一度に見渡すのも、もちろん不可能ではないが、マインドマップの比ではない。
見方を変えるとツリー構造だと書いたが、マインドマップは放射状に描くことが重要だという。「情報が連想となって放射状に広がる仕組みは、脳の神経細胞であるニューロンと同じで、マインドマップは脳のネットワークをそのまま紙に写した形」なのだそうだ(「記憶力・発想力が驚くほど高まるマインドマップ・ノート術」より)。
(続く)
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