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2005年10月20日

トラブル対応の基本プロセス(2) 期日とビジネスインパクト

ゴールが明確になったら、次に「期日」だ。重要なトラブルはもちろん、軽微なものであっても、いつまでに解決しなければならないという期日が必ず存在する。この点についてユーザと合意しておく必要がある。もちろん、ユーザは一刻も早くトラブルが解決することを望んでいる。しかしユーザの言い分を全て受け入れていてはにっちもさっちもいかなくなるから、妥協点を探らなければならない。

ユーザが「いつまでに解決して欲しい」と言ってきたら、まずその背景を確認する。システムの開発スケジュールが関係しているのか、本番業務の定期処理が迫っていてそれまでに解決する必要があるのか、などだ。問い合わせてきたユーザがシステムインテグレータのSEの場合、発注者であるエンドユーザが指示した通りに製品ベンダーへ問い合わせていて、背景をきちんと認識していないことがある。こういった場合は、エンドユーザに確認してもらう。

さらに「ビジネスインパクト」も明確にしておく必要がある。「ビジネスインパクト」とは、このトラブルが期日までに解決しない場合にどんな影響があるかを、ビジネスの観点で表現したものだ。たとえばシステム運用開始が遅れることで一日あたり○○万円の損失が出るといったように、金額で表現するのがもっともよい。発注元のエンドユーザ企業とシステムインテグレータの信頼関係にひびが入り、現在進行中の○○万円規模の商談がご破算になる可能性があるという言い方もある。

ビジネスインパクトは、あまり細かい数字にこだわらなくてよいが、根拠があって現実的な数字であることが条件だ。開発部門や経営層の注目を集めようと、あまり大きな数字を提示しても、逆効果だろう。このトラブルが解決しないと、契約済みの全製品がキャンセルになると大げさに言うと、「オオカミ少年」になりかねない。もちろん、本当にそういう事態であれば、納得できる材料をそろえる必要がある。

期日とビジネスインパクトは、開発部署や上層部などの協力を仰がなければならないとき、サポート部門が提示すべき情報だ。これらの人々は、顧客と密にコミュニケーションしているサポート部門と違い、個々のエンドユーザとのビジネス状況を知らない。開発部門が海外にある外資系ではなおさらだ。こういった情報を与えずに「大変だ」「緊急だ」と言っても、現実味のある話として受け取ってもらえない。人を動かすには理由が必要だ。相手が海外の人間の場合、これは特に重要である。

(続く)

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