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2005年10月29日

サポートマネージャの勝負ネクタイ

カスタマサポートマネージャというのは因果な稼業である。カスタマサポートは、ユーザがトラブルに遭遇したときに利用するものだ。使い方を質問したり、動作環境を確認したりという目的で利用することもあるが、ほとんどの場合は、製品を使っていて問題が発生した場合に利用する。トラブルを解決してあたりまえ。少しでも報告が遅れると叱責を受ける。ストレスのたまる職場である。

担当者レベルの調査が難航し、トラブルが長期化したり話がこじれたりすると、サポートマネージャが客先に出向いて説明・謝罪することになる。相手は担当者の場合もあるし、その上司の管理職のときもある。いずれにせよ初対面だ。初対面の相手がすでに怒っていたり、こちらにいい印象を持っていない、あるいは文句を言おうと待ちかまえているところに乗り込むわけだ。まさに、飛んで火に入る夏の虫。

あるときは、こちらが謝罪するなり、「で、いつ直るの!?」と大声で怒鳴りつけられ、すっかりペースを狂わされた。でもこれは例外で、冷静にこちらの話を聞いて、現実的な解決策を一緒に考えてくださるありがたい方も数多くいらっしゃった。

訪問する前には、サポート担当者から状況を詳しくヒアリングし、報告書を念入りに推敲し、営業チームにもレビューしてもらう。報告書は大事だが、なによりも自分自身の第一印象が鍵だ。10分かそこらで信頼を得て、報告内容に納得していただかなければ、収束できるトラブルも収束できない。カスタマサポートの責任者という立場で会うわけだから、ちょっとした失態がチームあるいは会社全体の信用に関わる。

挨拶をはじめとする仕草、説明のときの口調はもちろん、服装にも気をつかうのは当然だ。スーツはダークグレー、ワイシャツは必ず白。そしていつのころからか、柄が目立たない紺色の地味なネクタイが、トラブル報告に行くときのお決まりになっていた。たぶん、非常に難しいトラブルの報告のときに着用していて、それがうまく解決できたので験を担いだのが最初だと思う。それ以来、この紺のネクタイがトラブル報告のときの「勝負ネクタイ」になった。

洋服ダンスにいまもかかっている「勝負ネクタイ」。これを使うことがあまりないように祈っているが、くたびれる前に「後継者」を育てておいた方がいいだろう。ソフトウェアに限らず、ビジネスにトラブルはつきもの。うまく付き合っていかなければならない。

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