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2005年10月16日

ThinkPadのキーボード変革

IBMのPC事業がレノボに移管されて初の本格的な新製品、ThinkPad Z60tとZ60mが発売された。チタン色のトップカバーやマグネシウム合金の内部構造が注目されているが、私の最大の関心事はキーボードだ。

(参考記事)「“Z”に投入されたThinkPadの新技術」(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1006/lenovo.htm

Z60t/Z60mでは、マルチメディアコントロールキー、Windowsキーなど、これまでThinkPadがかたくなに拒んできたキーが搭載された。中でもWindowsキーは、拒否反応を示す人がパワーユーザを中心に多かった。その一部はマイクロソフトに対する嫌悪感から来るものだが、もう少し合理的な拒否理由は、最下段のキー配置が窮屈になることだ。Z60の写真を見ても、Altキーや変換キー、無変換キー、スペースバーが一段と小さくなっているように見える。

しかし、市場に出回っているほとんどのパソコンWindowsキーを採用しているため、このキーがないことでとまどうユーザが多くなってきているのだろう。再びコンシューマ市場へ参入しようとしているレノボとしては、妥当な選択といえる。

それに、Windowsキーはそれなりに使える。私自身、以前はWindowsキーなんていらないと思っていたのだが、会社で支給されたWindowsキー付きパソコンでは、けっこう活用している。スタートメニューの表示に使うほか、全ウインドウの最小化やそれを元に戻すショートカットキー(Windowsキー + D)も便利だ。

Z60は、堅牢性を高めるためにキーのパンタグラフ構造を強化した。タッチは変更していないとのことだが、こればかりは実際にさわってみないと何とも言えない。気になるのは剛性だ。最近のThinkPadは、キーボードの剛性が不足気味である。キーを押下したときに全体が沈み込む。個々のキーにぐらつきがあり、いまひとつ頼りない感触だ。きしみ音がし、動きがスムーズでないキーもある。キーボードが高評価を得ていたThinkPad 530CSや560のころには、こんなことはなかった。コストダウンや薄型化に伴って、キータッチは相当犠牲になっている。今回の構造強化がいい方向に働いてくれているといいのだが。

私にとって、Windowsキーの採用やパンタグラフ構造の変更より重要なのはキー配列だ。さいわい7列配置が踏襲された。私が一番こだわっているのが、この7列配置である。Home、End、PageUp、PageDownの4つのキーが独立した7列配置、つまりデスクトップの106キーボードと同じ配列のノートパソコンは、どんどん少なくなっている。上記の4つのキーをカーソルキーに割り当て、Fnキーとの併用で動作するようにしている。もちろんスペースを節約するためだ。

Home、End、PageUp、PageDownの4つのキーは、ファイルの中でカーソルをすばやく確実に移動するのに欠かせない。ファイルの先頭、ファイルの末尾へカーソルを移動したいというケースは多い。HomeやEndを使えば、Ctrl + Home、Ctrl + Endで一発だ。マウスでやろうとすると、スクロールバーをドラッグしたり、ホイールを延々と回したりしなければならない。

行頭にカーソルを位置づけたいのなら、Homeキーを1回押すだけで、確実にすばやくそこに位置づけられる。マウスの場合は、マウスポインタを行頭に置いてクリックするのだが、ちょっとずれると行全体が選択される。マウスの微妙な操作は、腕の筋肉に緊張を強いる。

このほか、私がよく使うキー操作は次の組み合わせだ。

・ Ctrl + Shift + End → ある位置からファイル末尾まで選択
・ Ctrl + Shift + Home → ファイル先頭からある位置まで選択
・ Shift + PageUp/PageDown → 広い範囲の選択(カーソルキーより高速)

これらの操作をマウスでやろうとすると、左ボタンを押したままドラッグしなければならない。ファイルが大きい場合など、その状態をずっと保たなければならず、右腕がつりそうになる。

もしHomeなどのキーがFnキー + カーソルキーの2キー同時押下だったら、3つか4つのキーを同時に押さなければならない。3つまでなら許容範囲だが、4つは大変だ。Ctrl + Home/Endも、同時に3キー押下より2キーの方が当然操作しやすい。独立したキーが必要なのはこのためだ。

レノボに移管されたThinkPadがどうなるのか少々不安だったが、キーボードに関してはZ60を見てちょっと安心した。これからの製品が楽しみだ。

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