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2005年11月23日

コピーワンス論争

コピーワンスで悩んでいるところに、放送・通信関係のコンサルタント西正氏と映像系エンジニア/アナリストの小寺信良氏が書いた記事が目に入った。どちらもITmediaに掲載されたもので、内容が対照的なのが興味深い。私の想像だが、小寺氏の記事は、西氏への反論として書いたものではないだろうか。

「コピーワンス見直し」で留意すべきこと(西正)
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0511/10/news062.html

「コピーワンス」大そもそも論(小寺信良)
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0511/21/news003.html

西氏は、コピーワンスは著作権保護のためであり、これを忘れてはならないという立場。これに対して小寺氏は、コピーワンスが著作権保護のためというのは大義名分であり、本質は企業利益を守るためだと主張している。

著作者の権利を保護するべしという西氏の主張はもっともだ。しかし、いきすぎた制限はかえって消費者の反発をうけ、コンテンツ制作者や配布者の不利益となるだろう。

西氏は、

あるいは好き勝手に編集して、好きなタレントのシーンばかりを集めたって構わないではないかという考え方が発想のベースにあるとすると、結果として優良なコンテンツが出てこないことになり、それこそ本末転倒な話になる。

と書いているが、そんなことはない。なぜならラジオからテレビまで、消費者が好き勝手に編集できる状態が数十年も続いているのに、優良なコンテンツはどんどん出てきている。さらに、消費者の好みは千差万別。どんなに優良なコンテンツでも、自分好みに編集したいという欲求は永遠になくならない。さらに、優良なコンテンツであればこそ、編集してでも残しておきたいと考えるはずだ。西氏は何か勘違いしているのではないだろうか。筆足らずかもしれない。

消費者がコンテンツを編集するのは、番組の前後にある余分な解説やCMをカットしたり、個人的な好みにあったコンテンツをまとめたりしたいからだ。そういった編集行為は著作隣接権に抵触するが、個人の楽しみとしてやっているぶんには問題ないだろう。

小寺氏は、CGアーチストというコンテンツ著作者でもある。コンテンツがコピーフリーだと利益を損なう立場にもかかわらず、次のように書いている。

映画でも特許でも、知財ならなんでもそうなのだが、多く利用されなければ、儲からないのだ。 (中略) 1つの漏れなく10個売るのと、1000個ぐらい盗まれるが10億個売れるのと、どちらが資本主義社会としてマシだろう。

実に共感できる意見だ。

ところで、うちにある液晶テレビとCATVセットトップボックスには、装置個体を識別する「B-CASカード」が入っている。デジタル放送を視聴するのに必須のカードなのだが、実はこれを発行しているのが1私企業なのだそうだ。これも含め、どういった企業や団体がデジタル放送やコピーワンスの制度や運用に関わってきたかを解説している小寺氏の記事は、非常におもしろかった。

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