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2005年11月18日

レビューでの「社会的手抜き」を防止

システムの仕様書にとどまらず、社外に提供するホワイトペーパーや技術文書でもレビューは必須だ。チーム全体にメールで送ってレビューするのが私のこれまでのやり方だったが、少々手直しする必要があると思っている。理由の1つは、チームメンバー全員が同じ観点でチェックするのは効率が悪いということ。もう1つはレビューする人の責任感の問題だ。

レビューには様々な観点が求められる。スペルや「てにをは」などの基本的なチェックから、記述内容が正しいかどうかの技術的なチェック、そして文章全体がわかりやすい構成かどうかのチェックなどだ。レビューする人が何人かいるなら、観点を分けてチェックした方が効率的だろう。

レビューする人間が多いと、「私は忙しいからレビューする暇がないけど、きっと誰かがやってくれるだろう」という考えに陥りやすい。これを「社会的手抜き」という(参考記事)。会議の参加者が多いほど意見が出にくくなるのも同じ原理だ。その結果、締め切り日になったのに誰もチェックしていないということが起こる。執筆者とレビュー者をペアにして2名でやれば、手抜きのおそれはなくなる。ただし、レビュー者の負担が大きくなるので、上で述べたように観点を分担するというやり方もあわせて考えて、バランスを取るようにすればいいだろう。

レビュー以前に、執筆者が書いた原稿の品質が十分高くなければいけない。レビューで間違いを見つけてもらおうと安易に考えて、とりあえず書き上げた原稿をレビューに回すのはもってのほか。チーム全体の生産性を落とすことになる。執筆者が十分推敲しているというのが基本で、さらに執筆者と別の視点でチェックするのがレビューの本来のあり方だ。

(参考記事)
なぜか場が湿る「集団思考のワナ」(齋藤勇、「プレジデント」2005.11.14)

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