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2005年11月 6日

聴衆をひきつける講演タイトルの付け方

ブログのタイトルを「raven.blog」から「私家版 ITプロフェッショナルの仕事術」に変更した。理由は、検索エンジンやブログポータルにリストアップされたときに、ブログのテーマがわかるようにするためだ。

「raven.blog」のような英文字のブログはたくさんある。しかし第三者の目で見ると、いったい何が書いてあるブログなのか、アクセスするまでわからない。ブログの著者はそれなりに思い入れがあって付けているのだろうが、それが読者に伝わらない。

同じことはセミナーなどの講演タイトルにもいえる。講演タイトルは、足を運ぶかどうかをお客様が判断する材料のひとつだ。安易に決めず、講演内容と同じように十分練っておきたい。

ときどき見かけるのが「Network Monitor GX 4.0のご紹介」というように、「<製品名>のご紹介」や「<製品名>の概要」というパターン。その製品が非常に有名であればまだ許せるが、製品の機能を紹介をするだけという印象を受けるこの手のタイトルでは、わざわざ時間をかけて聞きに行こうという気が起こらない。

同様に、「<ベンダ名>が考える○○ソリューション」とか「○○時代の△△」「ユビキタス時代の△△」という紋切り型のパターンも考え物だ。○○や△△の部分に何を持ってきてもそれなりに収まりがつく。つまりこのタイトルには意味やメッセージが込められていないということだ。

話す内容がきちんと決まっていないときに、上の2つのパターンに陥りがちだ。これは、キーメッセージがはっきりしていないこと、つまりプレゼンテーションや文章の大前提がぐらついているということを意味する。

心がけたいのは、聴衆や読者の視点に立ったタイトル付けだ。聴衆や読者が持っている問題意識に訴えかけるタイトルであれば、「行って聞いてみよう」「アクセスしてみよう」という気になる。必然的に、全方位的なタイトルではなく、特定の人々に向けたメッセージ性が強いものになる。「誰に」に対して「何を」伝えるか。聴衆分析や読者分析が大切である。

キーメッセージが明確な場合に、簡単に使えて効果的なのは疑問形を使うパターンだ。「いまの○○で大丈夫ですか?」「○○が企業に与える影響とは?」「○○は△△で防げるか?」というタイトルは、キーメッセージの言い換えである。そのテーマに関して問題意識を持っている人なら、少なくとも講演概要を眺めるくらいのことはするだろう。

聴衆が初心者レベルで、特定のテーマをわかりやすく説明するための講演や文章なら、「これだけはやっておきたい○○」「これならできる○○」「これならわかる○○」という、パソコンガイドブック風のタイトルを使うのもひとつの方法だ。私も使ったことがあり、好評だった。

製品の機能がある程度知られている場合は、ありきたりの内容では興味を持ってもらえない。そういうときに使える、聴衆・読者が知らないことをそっと教えますよという雰囲気のタイトルもある。マニュアルに載っていない○○の使い方」とか「○○の活用のヒント」といった具合だ。事例もこの中に含めていいだろう。「○○社における△△の活用事例」などだ。ひとつのセミナーに複数の講演がある場合は、できれば事例を入れたい。製品の機能や一般的な効果は、製品パンフレットを見ればよい。それよりも、実際に製品を使っているユーザの声を聞きたいと誰もが思っているはずだ。

宣伝臭が強いタイトルは避けたい。「TCOを劇的に改善する画期的なネットワーク管理ソリューション Network Monitor GX 4.0」というのをときどき見かける。なるべく目をひきたいという気持ちはわかるし、実際に効果はある。しかし、うさんくさい誇大広告と思われる危険性と紙一重だ。注意して使うようにしたい。

「○○を10倍改善する△△」「○○業務の時間を3日短縮した改善事例」など、数字を使ったタイトルも、使い方を誤らなければ効果的だ。あまりに非現実な数字は、やはり誇大広告と思われかねない。あくまで現実性のある数字でなければならない。

ちなみに、「○○について」というタイトルは、「について」を取ってしまってよい。メールでもよく見かけるタイトルだが、全てのタイトルは、「そのタイトルについて書きますよ、話しますよ」ということを宣言している。わざわざ「について」を書き加える必要はない。これで4文字節約できる。講演タイトルに字数制限がある場合などは、節約分を使って「の利点」「の効果」などと書けば、メッセージ性の高い効果的なタイトルにできる。

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