« 講演資料を事前に配布するべきか | トップページ | 高い「処理性」のシステム »

2005年12月 7日

「Hi」と「どうも」

外資系、特にアメリカに拠点を置く会社に勤めている人は、外国人にメールを出すときに「Hi John」のような書き出しで始めることが多いだろう。ファーストネームだけですませることもあるはずだ。

私も「Hi ○○」を当たり前のように使っていて、相手が現場のエンジニアでもマネージャでも、シニアバイスプレジデント(SVP)でも同じようにやっていたのだが、あるビジネススクールのビジネスライティングコースを受講したとき、それを聞いた講師がビックリしていた。SVPクラスの人に「Hi」を使うのは適当でなく、Helloの方がいいとその講師は言う。会社のカルチャーによるので一概にいえないとも付け加えていたが、もしかしたら私はすごく失礼なことをしていたのかもしれないと、こちらもビックリだった。

話は変わるが、日本語の挨拶で「ご苦労様」は目下の人に使い、「お疲れ様」は目上の人に使うものだと私は思っていた。しかし、国語学者の金田一秀穂氏によると、どちらも目下の人に使う言葉なのだそうだ。では、目上の人には何というか。「どうも」だけでいいと金田一氏はいう。たしか今年1月ころの「ジャポニカロゴス」という番組だったと思う。

これにもビックリしたのだが、「お疲れ様」と「ご苦労様」の用法は、辞典によって意見が違うらしい(注)。また、金田一氏の発言は、廊下などですれ違うときにどんな挨拶を交わすかという状況設定だった。書き言葉なら違ってくるのかもしれない。メールで「佐藤部長、どうも」とやるのは、明らかにまずい。

「Hi」と「どうも」は同じような位置づけにあるのだろう。書き言葉で目上の人に使うには適切でない(ことがある)が、軽い挨拶程度なら(おおむね)許される。結局、日本でもアメリカでも、相手との親密度で言葉を使い分けなければいけないということだ。

アメリカのビジネススタイルはカジュアルだという認識が一般的だと思う。しかし、見ず知らずの相手にいきなりくだけすぎてもまずい。相手の気分をそこねたら、こっちが損だ。新しい会社に入ったら、会社の雰囲気がはっきりわかるまでは、中庸な「Hello」を目上の人にも目下の人にも使うのがいいだろう。なんだかよそよそしいなと思われる方が、失礼なヤツだと軽蔑されるよりいくらかマシだ。

(注)
「ことば会議室」2002年12月21日の記事
http://kotobakai.seesaa.net/article/8180084.html

|

« 講演資料を事前に配布するべきか | トップページ | 高い「処理性」のシステム »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 講演資料を事前に配布するべきか | トップページ | 高い「処理性」のシステム »