« 2005年11月 | トップページ | 2006年1月 »

2005年12月の5件の記事

2005年12月30日

PDAとOutlookで三色方式デジタル手帳術

齋藤孝氏は手帳にも「三色方式」を使っているそうだ。三色方式は、赤・青・緑の三色ボールペンを使い、最も重要な部分に赤い線を、重要な部分に青い線を、そして自分が主観的におもしろいと思った部分に緑の線を引きながら本やメモを読む方法だ。やってみるとわかるが、三色の線を引くことで、均一化された活字の文章の中の情報が立体的に見えてきて、読み返したり再利用したりするときに非常に効率的だ。

三色方式の手帳は、絶対に忘れてはいけない予定を赤で、重要だがいざというときには外してもよい予定を青で、そして自分の趣味などの予定を緑で記入する。黒一色で記入した予定表では、重要な仕事とそうでない仕事の区別が付かない。読書や会社の書類で三色方式を実践している。

予定表は、PDAとOutlookを使っている。Outlook XPから予定の色分けができるようになり、三色方式を使えるようになった。しかし、一つ一つの予定にいちいち色を指定しなければならないのが面倒。しかも、PDA(iPAQ)に予定を同期したときに、色の情報が落ちてしまう。Windows MobileのPocket Outlookには色分けの機能がないだ。それは仕方ないとしても、PDAを自宅PCのOutlookと同期したときに色情報が引き継がれないのには困った。せっかく色ラベルをつけたのに、もう1台のPCで色が付かない。

三色方式の実践を半分あきらめていたところ、つい先日、Outlookに「自動書式」というメニューがあるのを見つけた。これが使えるとピンときた。案の定、予想が的中。2台のPCとPDAの運用で三色方式を実践できるようになった。

ポイントは、予定の「分類項目」と色ラベルを紐付けることだ。最も重要な予定・重要な予定・個人的な予定の3つの分類項目を作る。次にOutlookの「自動書式」で、それぞれの分類項目に赤・青・緑の色ラベルを自動的に付加する条件を設定する。この設定を2台のPCのOutlookに仕込んでおく。こうしておけば、予定に分類項目を設定するだけで、自動的に色ラベルがつく。分類項目を入力し忘れると予定が白で表示されるので、すぐにわかる。PCとPDAで同期したときに分類項目は引き継がれるから、会社と自宅のPCで自動的に同じように色付けできる。

PDAのPocket Outlookで三色表示できないのが玉に瑕だが、それを除けばほぼ完全な三色方式デジタル手帳術が実現できた。

(参考記事)
三色ボールペン読書術・情報活用術
http://raven.air-nifty.com/night/2005/09/post_a46d.html

| | コメント (1)

2005年12月23日

手帳は紙かPDAか

年末ともなると、書店や文房具店の店頭にたくさんの手帳が並ぶ。最近は手帳ブームで、手帳活用法に関する本も多い。ちょうど、時間管理をどうやっているかというコメントがついたので、2回に分けて手帳術を紹介しよう。

手帳には紙の手帳とPDAなどの電子機器の2種類がある。私はPDA派だ。2000年からPalm OS機(IBMのWorkPad)を使い始め、2004年にHPのiPAQに切り替えた。スケジュール・To-Do・メモをPCと同期している。

PDAは、ザウルスやPalm、Windows CEなどの機種が各社から発売されてブームになりかけたことがあったのに、最近は携帯電話に押されてすっかり影が薄くなってしまった。携帯電話でスケジュール管理している人も何人か知っている。確かに携帯電話は小さくて持ち運びに便利だ。携帯は必ず持ち歩くから、それでいろいろな情報を持ち歩くのは理にかなっている。しかし残念ながら、画面の大きさだけでなく、メモリ容量やカスタマイズの自由度などの点で、私にとっては機能が少々不足気味だ。

紙の手帳とPDAには一長一短がある。私にとってのPDAの利点は、


  • 会社PC、自宅PC、PDAでスケジュールを完全に同期できる。

  • 過去の予定やメモを素早く検索できる。

  • 定期的な予定は、一度書き込んでおけば、毎週・毎月いちいち書き込まなくてよい。

  • アラームを設定して、仕事のやり忘れを防止できる。

  • PCとPDAが相互バックアップになっているので、どちらかを紛失してもデータを失うことがない。

といったところだ。このほかに、字が読みやすいということもあげておこう。自分で書いた字の判読にしばしば苦労する私には重要なポイントである。揺れる電車内できれいに入力できるのもありがたい。

いっぽう紙の手帳に比べて劣る点もある。入力が面倒で、紙とペンほど素早く書けないことと、情報が均一化されてしまって、重要なものとそうでないものが区別しにくいことである。

入力が煩雑な点に関しては、Decumaというソフトで解決できた。DecumaはスウェーデンのDecuma AB社が開発した手書き入力システムである。欧米で開発されたものなのに、日本語の認識率が極めて高いのが特長だ。ひらがな・カタカナだけでなく、複雑な漢字も見事に認識する。さらに、インタフェースの設計が優れていて、認識誤りの訂正や文字種の選択が非常に楽である。Windows Mobileの手書き認識システムの認識率もかなり高いレベルだが、総合的にみてDecumaのほうが上だ。

そのDecumaは2002年ころ、ソニーのPalm機Clieシリーズに添付したりジャストシステムと提携したりと、日本でのビジネスを拡大しようとしていた。その後PDA市場の衰退に伴ってその名前を見かけなくなったが、任天堂とライセンス契約を締結してニンテンドーDSで利用できるようになるというニュースが入ってきた。NTTドコモのスマートフォンFOMA M1000もDecumaを搭載している。2005年1月にカナダのZi Corporationに買収された後、携帯電話やゲーム機という携帯情報機器でふたたび勢いを取り戻しているようだ。

入力が煩雑なこと以外の弱点は、修正・削除した形跡が残らないことだ。これは、デジタル情報に共通の長所であり欠点でもある。たとえばスケジュールが変更になった場合、PDAやOutlookの予定表で開始日時を書き換えると、元の日時は完全に消えてなくなり、最初からその日時に何も予定が入っていなかったのと同じことになる。情報をきれいに閲覧するという点では、これは大きな利点だ。

いっぽう紙の手帳は、横線で消したり文字を書き加えたりしたメモや予定に、思考の過程や仕事の履歴が痕跡として残る。その「汚さ」が記憶を呼び戻す手がかりになることもある。コーヒーのしみが付いたページに書いてあったことが妙に印象に残っているのと同じ原理だ。均一化されたデジタル情報にない、アナログ情報の利点である。

いまのところ、重要度を示すフラグやアイコンを使って、情報を区別するようにしている。いずれは手書きでぐるぐる巻きの印を付けられるようなインタフェースが開発されるのではないかと期待している。

次回は、PDAとOutlookを利用した三色方式手帳術を紹介しよう。

(参考記事)

「十二単」をまとったスウェーデン製日本語手書き認識ソフト(2003年8月8日)
http://www.itmedia.co.jp/news/0308/08/nj00_decuma.html

Decuma、手書き日本語認識ソフト「Decuma Japanese」(2002年3月5日)
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0305/decuma.htm

任天堂がZiの手書き認識技術「Decuma」をライセンス、DSで利用可能に(
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/10/27/101.html

(関連記事)
海外出張で便利なOutlookとiPAQのタイムゾーン機能
http://raven.air-nifty.com/night/2006/03/outlookipaq_203d.html

| | コメント (0)

2005年12月14日

高い「処理性」のシステム

IT製品のパンフレットは「○○性」という言葉で溢れている。

柔軟性の高いサービスを提供
操作性の向上
拡張性のあるアーキテクチャ
高可用性を実現

上に挙げたものならまだ許せる。しかし、どういうことを言わんとしているのか不明な「○○性」をときどき見かける。たとえば、あるコンピュータメーカのホームページに出ている以下の製品紹介だ。

XXは、高い信頼性、高い処理性を備え、オープンなプラットフォームに準拠した、次世代のYYシステムです。

「処理性が高いプラットフォーム」とは、どういうものなのだろう。「○○性」という言葉で○○が動詞の場合は、「○○しやすさ」という意味のことが多い。たとえば「操作性」は「操作のしやすさ」であり、「拡張性」は「拡張のしやすさ」だ。このように考えると、「処理性」は「処理しやすいプラットフォーム」ということになる。しかし引用した文のあとに、「データアクセスの集中による処理性・応答性の低下防止のため、データベースを分散計算機上に配置」という説明文がある。データアクセスが集中して処理のしやすさが落ちる状況は考えにくい。レスポンス(応答性)が落ちて、処理がいつものようには進まないことだろうか。どうもよくわからない。

漢字は優れた造語力を持っているので、新しい言葉を簡単に作れる。それは素晴らしいことなのだが、文の中の漢字が多くなって文章が固くなるという欠点も持っている。わかりやすさよりも格調の高さを重んじるならそれもありだ。しかし、やりすぎは禁物。造語性に頼りすぎると理解性や判読性が損なわれ、説得性や訴求性が大幅に低下する。

| | コメント (0)

2005年12月 7日

「Hi」と「どうも」

外資系、特にアメリカに拠点を置く会社に勤めている人は、外国人にメールを出すときに「Hi John」のような書き出しで始めることが多いだろう。ファーストネームだけですませることもあるはずだ。

私も「Hi ○○」を当たり前のように使っていて、相手が現場のエンジニアでもマネージャでも、シニアバイスプレジデント(SVP)でも同じようにやっていたのだが、あるビジネススクールのビジネスライティングコースを受講したとき、それを聞いた講師がビックリしていた。SVPクラスの人に「Hi」を使うのは適当でなく、Helloの方がいいとその講師は言う。会社のカルチャーによるので一概にいえないとも付け加えていたが、もしかしたら私はすごく失礼なことをしていたのかもしれないと、こちらもビックリだった。

話は変わるが、日本語の挨拶で「ご苦労様」は目下の人に使い、「お疲れ様」は目上の人に使うものだと私は思っていた。しかし、国語学者の金田一秀穂氏によると、どちらも目下の人に使う言葉なのだそうだ。では、目上の人には何というか。「どうも」だけでいいと金田一氏はいう。たしか今年1月ころの「ジャポニカロゴス」という番組だったと思う。

これにもビックリしたのだが、「お疲れ様」と「ご苦労様」の用法は、辞典によって意見が違うらしい(注)。また、金田一氏の発言は、廊下などですれ違うときにどんな挨拶を交わすかという状況設定だった。書き言葉なら違ってくるのかもしれない。メールで「佐藤部長、どうも」とやるのは、明らかにまずい。

「Hi」と「どうも」は同じような位置づけにあるのだろう。書き言葉で目上の人に使うには適切でない(ことがある)が、軽い挨拶程度なら(おおむね)許される。結局、日本でもアメリカでも、相手との親密度で言葉を使い分けなければいけないということだ。

アメリカのビジネススタイルはカジュアルだという認識が一般的だと思う。しかし、見ず知らずの相手にいきなりくだけすぎてもまずい。相手の気分をそこねたら、こっちが損だ。新しい会社に入ったら、会社の雰囲気がはっきりわかるまでは、中庸な「Hello」を目上の人にも目下の人にも使うのがいいだろう。なんだかよそよそしいなと思われる方が、失礼なヤツだと軽蔑されるよりいくらかマシだ。

(注)
「ことば会議室」2002年12月21日の記事
http://kotobakai.seesaa.net/article/8180084.html

| | コメント (0)

2005年12月 1日

講演資料を事前に配布するべきか

イベントやセミナー、販売パートナー向けのトレーニングなどで講演をたくさんやってきたが、講演者の立場で不満なのは配付資料だ。参加者が席に着くと、机の上に資料がある。ぱらぱらとめくれば、どういうテーマで話をするか、おもしろいことを話しそうなのか、結論は何なのか、事前にわかってしまう。

映画を見に来た人に、シナリオや絵コンテをあらかじめ渡しているようなものだ。もちろん、聞きながらメモを取り、会社に帰って他の人に報告するときの利便性を考えると、配付資料があった方がいい。しかし資料が手元にあると、どうしてもそちらばかり見てしまい、スクリーンや講演者に集中してくれない。

理想をいえば、配付資料は配らずに、メモはノートにでも取ってもらいたい。全部聴いてくれた人に配付資料をおみやげとして渡し、それを会社で有効活用してもらう。こうすれば、言いたいことは配付資料でわかったと居眠りしたり途中で帰ったりすることがなくなる。

Cognos Performance 2005は資料を配付せず、後日Webで公開した。この仕組みでもよいが、PDFに変換したりWebコンテンツを編集したりしなければならないのが手間だ。参加しなくてもあとでWebで見られるとわかると、わざわざ出席しようという意欲をそぐ恐れもある。

資料を事前に配らない場合に注意する点は、スクリーンに映すスライドの字の大きさだ。後ろの席の人にもよく見えるような字の大きさで資料を作る必要がある。これは配付資料の有無にかかわらずプレゼンテーションの基本なのだが、「手元の資料をご覧ください」と言えないぶん、より注意しなければならない。

プレゼン資料を印刷するときは、ほとんどの場合が白黒印刷である。カラーで見るときれいでわかりやすいPowerPointでも、白黒印刷にすると細部が黒く潰れたり、色分けしたグラフのどの線がどのデータなのかわからなくなったりする。PowerPointの白黒ビューを使って事前チェックし、必要に応じてグレースケールを調整したりしておく必要がある。特に、写真が多いものや凝った背景デザインのものは要注意である。

| | コメント (0)

« 2005年11月 | トップページ | 2006年1月 »