講演資料を事前に配布するべきか
イベントやセミナー、販売パートナー向けのトレーニングなどで講演をたくさんやってきたが、講演者の立場で不満なのは配付資料だ。参加者が席に着くと、机の上に資料がある。ぱらぱらとめくれば、どういうテーマで話をするか、おもしろいことを話しそうなのか、結論は何なのか、事前にわかってしまう。
映画を見に来た人に、シナリオや絵コンテをあらかじめ渡しているようなものだ。もちろん、聞きながらメモを取り、会社に帰って他の人に報告するときの利便性を考えると、配付資料があった方がいい。しかし資料が手元にあると、どうしてもそちらばかり見てしまい、スクリーンや講演者に集中してくれない。
理想をいえば、配付資料は配らずに、メモはノートにでも取ってもらいたい。全部聴いてくれた人に配付資料をおみやげとして渡し、それを会社で有効活用してもらう。こうすれば、言いたいことは配付資料でわかったと居眠りしたり途中で帰ったりすることがなくなる。
Cognos Performance 2005は資料を配付せず、後日Webで公開した。この仕組みでもよいが、PDFに変換したりWebコンテンツを編集したりしなければならないのが手間だ。参加しなくてもあとでWebで見られるとわかると、わざわざ出席しようという意欲をそぐ恐れもある。
資料を事前に配らない場合に注意する点は、スクリーンに映すスライドの字の大きさだ。後ろの席の人にもよく見えるような字の大きさで資料を作る必要がある。これは配付資料の有無にかかわらずプレゼンテーションの基本なのだが、「手元の資料をご覧ください」と言えないぶん、より注意しなければならない。
プレゼン資料を印刷するときは、ほとんどの場合が白黒印刷である。カラーで見るときれいでわかりやすいPowerPointでも、白黒印刷にすると細部が黒く潰れたり、色分けしたグラフのどの線がどのデータなのかわからなくなったりする。PowerPointの白黒ビューを使って事前チェックし、必要に応じてグレースケールを調整したりしておく必要がある。特に、写真が多いものや凝った背景デザインのものは要注意である。
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