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2006年1月の3件の記事

2006年1月25日

BlackBerryとインフォマニア

オフィスの外でメールをどうやって読むかは、けっこう悩ましい問題だ。外出中くらいメールから解放されたいが、そうもいかないのが現実である。急ぎの用件に返事をしたり、緊急のトラブル報告が入っていないかをチェックしたりなど、どうしてもメールを使わざるをえない。

PHSカードを使ってインターネット、そして会社のVPNに接続するというのが一般的なやり方だろう。欠点は、電車の中や歩いている最中にやるのが難しいこと。電車は、座席でPCを広げると、両隣の人にけっこう迷惑であり、できれば避けたい。その辺に座り込んでおもむろにPCを広げるのは、まだまだ奇異の目で見られそうだ。アメリカの空港では、待合いロビーの床に座り込んでPCを使っている人をよく見かける。私自身は、札幌の地下街で、PCで資料を見ながら、携帯で電話会議に参加したことがある。こういうのが普通の光景になればいいのだが。電車にしろ路上にしろ、PCを使うのはあまり使い勝手がいいとはいえない。

携帯電話にメールを転送している人は多いだろう。メールを読むだけなら一番手軽である。添付ファイルをPCで読まなければならない場合だけ、PC+PHSカードでモバイル通信すればよい。最近ではOffice文書やPDFを読める携帯も出てきた。欠点は、メールを送信するときだ。送信元が携帯のメールアドレスになってしまう。

アメリカに目を移すと、ビジネスマンの間で「BlackBerry」という携帯端末が大流行している。BlackBerryは、カナダのResearch In Motion社がサービスを提供している無線メール端末だ。いま勤めている会社の米国本社の社員は、ほとんどがこの端末を持っていて、会議室やレストランでしょっちゅうのぞき込んでいる。ちなみに、会社のメールシステムはExchangeだ。

携帯電話と同じように、会社のメールを携帯端末に転送しているのかと思っていた。しかし決定的に違うのは、会社のメールアドレスを使って送信できることだ。メールの最後に「このメールはBlackBerryで送信されました」という文が付加される以外は、会社のPCのOutlookで返信したのとほとんど変わらないメールが届く。

これは、既存のメールサーバと統合するサービスやソフトウェアが提供されているからだ。個人向けの「BlackBerry Internet Service」、企業向けの「BlackBerry Enterprise Server」というのがそれ。これを使うと、ワイヤレスでメールサーバにアクセスでき、既存のメールアドレスとBlackBerryを統合でき、送信も会社のアドレスでおこなえる。日本の携帯電話に転送する場合は、全く別のメールアドレスを使い分けることになる。この差は大きい。

非常に便利なだけに、いちど使うと手放せなくなり、四六時中BlackBerryを操作するようになってしまう。こういう人を「CrackBerry」と呼ぶ。アメリカのプリセールスSEのS氏がCrackBerryのおかげで怖い目にあったと話をしてくれた。営業A氏の運転するクルマで客先に行ったときのこと、A氏はクルマを運転しながらBlackBerryでメールを読むので、クルマが蛇行して身の危険を感じた。代わりにメールを読み上げてあげるからと、BlackBerryを取り上げたとか。

日本でも事情は似たようなものだ。携帯にメールが来ていないか、しょっちゅう気にする人は多い。実は私もその傾向が強い。もし日本でBlackBerryのサービスが始まっても、手を出さない方がいいだろう。

CrackBerryのように、メールがいつも気になる症状を「インフォマニア(Info-Mania)」と呼ぶ。インフォマニアがIQに悪影響を及ぼすという説もある。日本HPのWebページ(参考記事を参照)で、インフォマニア度をチェックできる。私は「はい」が8つ。かなり危険な状況である。

(参考記事)
ケータイ用語の基礎知識 第219回:BlackBerry とは
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/keyword/23251.html

IT利用で、あなたのIQが低下していませんか?
http://h50146.www5.hp.com/info/enewsletter/050823/onmove/

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2006年1月21日

冬のテニスの必需品

冬に屋外でテニスをするときに手放せないのが、アウトドア用のアンダーウェアだ。アシックスTARAS BOULBAのダクロンQDウールのアンダーウェアを10年以上愛用している。ダクロンQDウールは、汗をすぐに吸って発散させる新素材。汗をかいても、肌に水分を残さないのが特徴だ。。ダクロンの長袖アンダーウェアの上にトレーナーとウォームアップを着れば十分に暖かいし、動きを妨げない。

木綿のウェアやTシャツは低価格なのが利点だが、汗が生地にとどまってその部分が冷たくなる。吸水速乾性に優れた新素材のウェアやアンダーウェアは、ちょっと値が張るものの、身体を冷やさないという機能性だけでなく、洗濯のあとにすぐ渇くなど利点が多く、持っていて損はない。

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2006年1月 9日

ポッドキャスト「Security Now!」

最近iPodで聴いているのはポッドキャストばかりで、音楽はその合間に聴くだけになってしまった。

2005年9月7日の記事で紹介した番組のうち、「Security Now!」が気に入っている。個人ユーザが自宅のネットワークやPCのセキュリティをどうやって強化するかをSteve Gibsonがわかりやすく説明している番組だ。

この番組のいいところは、(1)スピードが適度で聴き取りやすい、(2)セキュリティの勉強に役に立つ内容である、(3)トランスクリプトを入手できる、という3点だ。

コンピュータのセキュリティは、日本語で聞いてもわかりにくい。これは英語圏の人でも同じだから、Steve Gibsonは一語一語を区切りながら話してくれる。進行役のLeo Laporteと雑談したり冗談を言い合ったりする場面は、さすがに聴き取るのが難しい。しかし、主要な部分は十分ゆっくり話してくれる。

ネットワークやPCのセキュリティ対策は、いろいろな点を考慮しなければならない。それを学べるのもいいところだ。たとえば、


  • 外部からのトラフィックを遮断するためにNATルータが役立つ。

  • NATルータと併せてパーソナルファイアウォールを使うべし。パーソナルファイアウォールはPC内部から外部へ出て行くトラフィックを監視するためのものである。

  • ワイヤレスアクセスポイントはWPAで暗号化すること。WEPは、暗号アルゴリズムは優れているものの、その実装方法がよくなく、セキュリティが弱い。

  • ワイヤレスアクセスポイントのMACアドレスフィルタやESSID隠しは、何もやらないよりはよい。少なくとも、第三者が間違ってアクセスポイントを使ってしまうのを防ぐことはできる。しかしセキュリティ対策とは別のものとして考えること。

  • 公衆アクセスポイントやホテルのインターネット回線を使うときは、VPNやSSLで暗号化すること。ホテルのインターネット回線は、コスト削減のためにスイッチではなくハブを使っていることがあり、トラフィックを簡単に盗聴できる。

ここ1ヶ月くらいは、フリーのVPNサービスが話題の中心である。ほとんどの企業は独自のVPN環境を整えていて、社員が社外からアクセスするときはVPN接続しているはずだ。しかし個人ユーザが自分でVPN環境を構築するのは、コストや手間が大変である。そこで番組では、個人ユーザが無料で使えるVPNサービスを紹介している。ホテルや公衆無線LANから自宅のPCにVPN接続し、自宅のインターネット回線経由でWebやメールを使う。こうすれば、もっともセキュリティの弱い部分(公衆無線LANやホテルの回線)をVPNで暗号化できる。12月16日の番組では、「Hamachi」というフリーのVPNサービスに高い評価を与えていた。

最後に、トランスクリプトを番組のWebサイトで入手できるのが、非ネイティブのリスナーにはありがたい。聞き取った内容が正しいかどうかを確認したり、言葉ではわかりにくかった部分をじっくり読んだりできる。図解を加えたり、関連リンクを紹介したりと、Webコンテンツだけでセキュリティの勉強にすることもできる。

市販や通信教育の英会話CDを聴くときの難点は、興味のない分野の話を延々と聞かされることだ。ポッドキャストが普及して、英語のリスニング教材に事欠かなくなった。自分の趣味や興味のある番組を探して聴けば、モチベーションを落とすことなく英語の勉強ができ、一石二鳥である。

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