« PDAとOutlookで三色方式デジタル手帳術 | トップページ | 冬のテニスの必需品 »

2006年1月 9日

ポッドキャスト「Security Now!」

最近iPodで聴いているのはポッドキャストばかりで、音楽はその合間に聴くだけになってしまった。

2005年9月7日の記事で紹介した番組のうち、「Security Now!」が気に入っている。個人ユーザが自宅のネットワークやPCのセキュリティをどうやって強化するかをSteve Gibsonがわかりやすく説明している番組だ。

この番組のいいところは、(1)スピードが適度で聴き取りやすい、(2)セキュリティの勉強に役に立つ内容である、(3)トランスクリプトを入手できる、という3点だ。

コンピュータのセキュリティは、日本語で聞いてもわかりにくい。これは英語圏の人でも同じだから、Steve Gibsonは一語一語を区切りながら話してくれる。進行役のLeo Laporteと雑談したり冗談を言い合ったりする場面は、さすがに聴き取るのが難しい。しかし、主要な部分は十分ゆっくり話してくれる。

ネットワークやPCのセキュリティ対策は、いろいろな点を考慮しなければならない。それを学べるのもいいところだ。たとえば、


  • 外部からのトラフィックを遮断するためにNATルータが役立つ。

  • NATルータと併せてパーソナルファイアウォールを使うべし。パーソナルファイアウォールはPC内部から外部へ出て行くトラフィックを監視するためのものである。

  • ワイヤレスアクセスポイントはWPAで暗号化すること。WEPは、暗号アルゴリズムは優れているものの、その実装方法がよくなく、セキュリティが弱い。

  • ワイヤレスアクセスポイントのMACアドレスフィルタやESSID隠しは、何もやらないよりはよい。少なくとも、第三者が間違ってアクセスポイントを使ってしまうのを防ぐことはできる。しかしセキュリティ対策とは別のものとして考えること。

  • 公衆アクセスポイントやホテルのインターネット回線を使うときは、VPNやSSLで暗号化すること。ホテルのインターネット回線は、コスト削減のためにスイッチではなくハブを使っていることがあり、トラフィックを簡単に盗聴できる。

ここ1ヶ月くらいは、フリーのVPNサービスが話題の中心である。ほとんどの企業は独自のVPN環境を整えていて、社員が社外からアクセスするときはVPN接続しているはずだ。しかし個人ユーザが自分でVPN環境を構築するのは、コストや手間が大変である。そこで番組では、個人ユーザが無料で使えるVPNサービスを紹介している。ホテルや公衆無線LANから自宅のPCにVPN接続し、自宅のインターネット回線経由でWebやメールを使う。こうすれば、もっともセキュリティの弱い部分(公衆無線LANやホテルの回線)をVPNで暗号化できる。12月16日の番組では、「Hamachi」というフリーのVPNサービスに高い評価を与えていた。

最後に、トランスクリプトを番組のWebサイトで入手できるのが、非ネイティブのリスナーにはありがたい。聞き取った内容が正しいかどうかを確認したり、言葉ではわかりにくかった部分をじっくり読んだりできる。図解を加えたり、関連リンクを紹介したりと、Webコンテンツだけでセキュリティの勉強にすることもできる。

市販や通信教育の英会話CDを聴くときの難点は、興味のない分野の話を延々と聞かされることだ。ポッドキャストが普及して、英語のリスニング教材に事欠かなくなった。自分の趣味や興味のある番組を探して聴けば、モチベーションを落とすことなく英語の勉強ができ、一石二鳥である。

|

« PDAとOutlookで三色方式デジタル手帳術 | トップページ | 冬のテニスの必需品 »

コメント

なんと、Security Now!の日本ユーザが居たとは...
と言っても、私も英語は片言なので、雰囲気味わっているだけです。
TWiTも聞いていますが、最近はちょっと騒がしい感じかな。
同じ観点で聞いている人がいるのはうれしいことです。

投稿: furufuru | 2006年2月 9日 01時18分

この記事へのコメントは終了しました。

« PDAとOutlookで三色方式デジタル手帳術 | トップページ | 冬のテニスの必需品 »