メール件名のべからず集
メールの件名は非常に重要だ。みんな、1日に大量のメールを受信している。いちいち全部に目を通していられない。そんな相手にメールを読んでもらうためには、件名を工夫する必要がある。よい件名の付け方は別の機会に書くとして、これはやってはいけないという件名をいくつか挙げる。
1. 用件が分からない件名
「教えてください」「質問」「ご参考資料」といった件名はだめだ。最低でも、何について教えて欲しいのか、何についての参考資料なのかを明示すること。私は、括弧でこれらの語句をくくり、その後に主題を書くようにしている。
(例)
【質問】○○の性能
[Question] Performance of XXXXXX
2. 「緊急」「大至急」「URGENT」を使った件名
トラブルが深刻なときに、「緊急 ○○社のトラブル」「URGENT: XXXX doesn't work」と、件名に「緊急」「大至急」「Urgent」をつけたメールをときどき見かける。ご丁寧に感嘆符付きで送る人もいる。最高記録は感嘆符4つの「!!UREGENT!! 」だ。 読んでもらいたいメールには「URGENT」をつけるようにと指導している本もある(佐々木かをり著「さっと書けて心が伝わる英文メール術 ― あなたのビジネスをパワーアップ!」)。
国際コミュニケーションの専門家のお勧めだが、やめた方がいいと私は思う。相手の事情を考えず、自分の都合を押しつけているからだ。実際、相手の気分を概して、関係が悪化したことがある。念のため、メールを送ったのは私ではない。
それに、緊急の用件のときにメールを使うこと自体がおかしい。こういうときは電話を1本かけるべきだ。複数の関係者に知らせたいときは、電話の後でまとめのメールを送ればよい。重要な用件であればあるほど、1対1の直接コミュニケーションを使うべきだ。
ちなみに、この手の件名はスパムメールと誤認識されるおそれがあるという意見も紹介しておこう(参考記事1)。佐々木かをり氏の著書の記述はイーウーマンのWebにも載っている(参考記事2)。日付が1997年だ。スパムメールという言葉すら知られていなかった時代のノウハウであり、すでに時代遅れといっていいだろう。
私は、顧客の重大トラブルについて海外の幹部の注意を促したいときは、「Need your help」と書くようにしている。これは、以前勤めていた会社の社長が使っていた方法だ。「Urgent」と書くより、ずっと穏やかで冷静な印象を与えるはずだ。
(例)
[Need your help] Problem at XXXXX
3. 全部大文字の件名
幸いにしてあまり見かけないが、全部大文字の件名は御法度だ。本文も同じである。大文字だけで書いた件名や文は、大きな声で叫んでいるのと同じだ。ビジネスの場で使うべきではない。いくら丁寧な表現(たとえばWould you ・・・)を使っても、これを大文字だけで書くと、ものすごく横柄に、上から見下して指示しているように取られる。
(参考記事1)
スパムに間違われない電子メール件名の付け方
http://allabout.co.jp/study/bizenglish/closeup/CU20050623A/
(参考記事2)
英文メール入門 【第2回】必ず開いてもらえるうまいタイトルの付け方
http://www.ewoman.co.jp/eng/mail/02.html
(当ブログの関連記事)
「インパクト倍増文章術」
http://raven.air-nifty.com/night/2005/10/post_7394.html
聴衆をひきつける講演タイトルの付け方
http://raven.air-nifty.com/night/2005/11/post_8dc5.html
メールのテキスト整形(秀丸エディタのマクロ)
http://raven.air-nifty.com/night/2005/11/post_b2da.html
ビジネスメールに感嘆符は禁物
http://raven.air-nifty.com/night/2006/07/post_e68d.html
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