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2006年8月の5件の記事

2006年8月24日

「貴社」と「御社」の使い分け

日本のビジネスの現場では、自社のことを「弊社」とへりくだって呼ぶのが常識だ。では相手の会社のことをどう呼ぶかというと、私の回りでは「御社」が多く、「貴社」はあまり使われていないように思う。私は、話し言葉と書き言葉でこの2つを使い分けるようにしている。

話し言葉では「御社」の方がいいだろう。「貴社」は「キ」の音がきつく響く。「御社」は、柔らかい響きのオ音だ。

メールや社外レターなどの書き言葉は、「貴社」の方がよい。「御」と「弊」は、ぱっと見て区別しにくい。「弊」と「貴」なら見誤ることはまずない。

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2006年8月23日

サポートの役割はトラブル解決ではない

「サポートの役割はトラブル解決ではない」というと、「そんなわけはないだろう」という声があちこちから聞こえてきそうだ。ユーザが困っているトラブルを解決する、疑問に答えるのがサポートの役割だと一般に考えられているからだ。

では、自動車のブレーキの役割はなんだろう。真っ先に出てくる答えは、「クルマを止めるためのもの」だ。たしかにそれも正しい。しかし、こうも考えられる。「クルマを速く安全に走らせるためのもの」。いざというときにきちんと停止できる、コーナーで思いのままにスピードをコントロールできる。その安心感があって初めて、クルマを速く走らせることができる。

サポートに話を戻すと、トラブルを解決するのがサポートの役割だという答えは、ブレーキは止まるためのものということに相当する。最終的にサポートが目指すべきは、ユーザがやりたいことを効果的に実現することだ。

たとえば、ユーザがある目的を持ってソフトウェアを購入したとする。ユーザは、Aという機能を使えば自分の目的が達成できると考えて、ソフトを使いはじめる。が、不幸にして何かトラブルが発生してしまった。そしてサポートに電話をする。サポートは、聞かれたことに対して解決策を提供して機能Aを使えるようにし、ひとまずユーザは満足する。もし、ユーザの目的を達成するのに別の機能Bの方が適しているとしたらどうだろうか。

あるいは、あるトラブルを調べるためにテスト環境を構築して再現テストをはじめたが、別のトラブルが発生してしまったとする。そのトラブルを解決しなければ、再現テストはできない。いつの間にか、本来調べるべきトラブルではなく、テスト環境だけで起きているトラブルの調査に没頭してしまう。こういうことはよくある。

ユーザは本来何をやりたいのか、本当に実現すべきことは何なのかを最初の段階でヒアリングできれば、無駄な労力を費やすことはなくなるし、ユーザの満足度もより高くなるはずだ。サポートのやりとりが長くなったときは、最終目的をときどき振り返って、進んでいる道が間違っていないかを確認することも必要だ。

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2006年8月21日

英会話教室CMの「Join us!」

子ども向け英会話教室のCMに、こういうものがある。公園でボール遊びをしている日本人の子どもたちを、一人でじっと見ている欧米人風の顔立ちの子ども。転がってきたボールを拾って日本人の子どもに渡すと、そのうちの一人が「Join us!」と言う。次のシーンでは、みんなで一緒にボール遊びをしている。

子どものころから英語をしゃべって国際交流できるようにしましょうというメッセージを込めているのだろう。しかし問題は、日本で出会った「欧米人風の顔の人」に英語で話しかけるのが正しいのかどうかだ。次のようなケースは十分考えられる。


  • 「欧米人風の顔の人」がフランス人で、英語を理解できない。

  • 「欧米人風の顔の人」がウェンツ瑛士のような日本生まれの日本育ちで、日本語しか話せない。

まず日本語で「一緒に遊ばない?」と話しかけ、それで通じなかったら、いちおう世界共通語となっている英語で「Join us」と言う。これが本来の国際交流だと思う。

CMにあれこれ文句を言っても始まらないが、テレビの影響力を考えると、「欧米人風の顔の人を見たら英語で話しかけるものだ」という間違った意識を子どもや親たちにに植え付けるのではないかと気がかりだ。名前をローマ字で書くとき「名-姓」の順番にしてしまうのも、「教科書などに載っているからそういうものだ」と鵜呑みにしてしまったからだと私は考えている。

(当ブログの関連記事)
I'm Yamada Taro. - 日本人の氏名表記
http://raven.air-nifty.com/night/2005/11/im_yamada_taro__56d2.html

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2006年8月 2日

「私はやったことがないんですが・・・」

ビジネスで嘘をつくのは言語道断だが、バカ正直にすべてをさらけ出すのも考え物だ。至極当たり前のことだが、私が見る限り、SEを初めとするITプロフェッショナルには、「バカ正直」な人が意外に多い。

典型的な例が、熟知はしていない製品や機能について話しているときに、「私はよくわからないんですが・・・」「私はやってみたことがないんですが・・・」と、言い訳する人間だ。後で間違いと分かったときのための自己防衛のつもりだろうが、百害あって一利なしである。こんな言い訳をする人間が言っていることを、相手が信用するだろうか。聞いている人に不安を与え、商談をダメにしてしまう可能性すらある。

話す内容は事前にしっかり調べておくのが第一。もし予想外の質問を受けてしまった場合は、「すぐにはお答えできないので、持ち帰って回答します」とだけ言えばよい。すぐに答えられない理由をバカ正直に説明する必要はない。

(当ブログの関連記事)

「条件がわからないので見積もれません」
http://raven.air-nifty.com/night/2006/07/post_52f8.html

「どうしてそう思われますか?」
http://raven.air-nifty.com/night/2006/06/post_7525.html

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2006年8月 1日

機内で快適に過ごす小技

海外出張や旅行で長時間移動するときに、機内で少しでも快適に過ごすための小技をひとつ紹介しよう。

機内誌・安全のしおり・機内ショッピング誌など、シートポケットの冊子を全部、頭上の荷物入れに放り込んでしまうのだ。これで、足下のスペースが数センチ広くなる。膝が前席の背もたれに当たりにくくなり、ずいぶん楽だ。

ビデオや音楽の番組表を見たい人は機内誌だけを残しておけばいいだろう。私はもっぱらiPodを聞いているから、機内誌は最初にパラパラと眺めるだけだ。代わりに、ショッピングカタログは熟読する。特にアメリカの航空会社のカタログは、アイデア商品が満載。持って帰ると話のネタにできる。

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