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2006年10月28日

腿の上にキーボードを置く「塩澤メソッド」

キーボードをどこに置くかというと、まずほとんどの人が机の上に置いているはず。この置き方は体によくないのではないだろうか。以前からの肩胛骨付近の痛みは、キー配置を相当カスタマイズして負担がかからなくしても、たいしてよくならなかった。

オフィス事情で使っていなかったRealforce 89U(Realforce 91Uの前モデル)を引っ張り出してきて、腿の上にキーボードを置く方法を試してみた。これは、shiologyの塩澤一洋氏が実践している方法である(参考記事1)。勝手に「塩澤メソッド」と名付けよう。この配置は、手が肘より下に来て、キーボードは手前がやや高くなる。この姿勢がもっとも人間工学的によいというコーネル大学の研究結果がある(参考記事2)。塩澤メソッドは、これに見事に合致している。

必然的に姿勢もよくなった。ノートPC本体のキーボードを使うと、どうしても前屈みで猫背になってしまう(参考記事3)。この姿勢が、肩の痛みの最大の原因ではないかと思う。腿の上にキーボードを置くと、自然と背筋が伸びる。肩の痛みもだいぶ楽になった。以前は、テニスでフォアハンドで強打すると痛みが走っていたのだが、塩澤メソッドを始めてからは、そんなことはなくなった。

塩澤メソッドは、完全なタッチタイピングが必須条件だ。腿の上のキーボードは、テーブル面に隠れて見えない。見えるように位置を調節しても、キーボードとディスプレイを交互に見るのは視線移動が大きく、今度は首や目に負担がかかる。キーボードを決して見ずにタイピングできるようでなければならない。私のタッチタイピングは、文字キーはほぼ問題ないのだが、記号・数字がちょっとあやしい。Fキーはもっと怪しい。これらのキーを打つときは、どうしても目で確認している。これを早くやめたいところだ。

テーブルの上のマウスに右手を移すときの動きが大きいのも難点だ。これを解決するには、腿の高さくらいのマウス台を置くのがよいだろう。机の下に収納できるキャビネットがちょうどよさそうだ。

固定肘掛け付きの椅子は都合が悪い。キーボードを打っているときに腕や肘が肘掛けに当たる。いきおい、肩をすぼめるようにしてしまい、これが余計なストレスになる。肘掛けのないものや、肘掛けの高さが調節できるものが望ましい。

キーボードの左右位置にも注意を払う必要がある。一般的な外付けキーボードは、ホームポジションの中心、つまりBキーが左に寄っている。右側にカーソルキーやテンキーがあるためだ。したがって、キーボード全体の中心を体の中心にあわせると、ホームポジションが左に寄ってしまい、体をねじってタイピングすることになる。そこで、キーボード全体を右に寄せて膝の上に置くことになる。キーボードの左右の重量バランスを考えると、テンキー付きのフルキーボードは向かない。右側にずれ落ちそうになる。塩澤氏はHappy Hacking Keyboardを使っている。テンキーもカーソルキーもない小型で左右対称のキー配置だから、塩澤メソッドに最適だろう。私が使っているテンキーなしのRealforce 87Uは、ぎりぎりセーフである。より安定させるために、膝とキーボードの間に段ボールの台紙を敷いている。

(参考記事1)
shiology「550:051110 MicroTrack24/96」
http://shiology.com/shiology/2005/11/550051110_micro.html

shiology「581:051224 白黒の朝ん歩 」
http://shiology.com/shiology/2005/12/581051224__1e1b.html

shiology「698-060704 ワーキングスタイル」
http://shiology.com/shiology/2006/07/698060704__abdb.html

(参考記事2)
Ideal typing posture: Negative slope keyboard support
http://ergo.human.cornell.edu/AHTutorials/typingposture.html

(参考記事3)
ノートパソコン利用の人間工学ガイドライン
http://www.ergonomics.jp/fpd/note_pc_guide/NP_ergoGL.html

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コメント

ravenさま、

こんにちは!!
エントリー、読ませていただきました。「塩澤メソッド」、命名までしていただいて恐縮です。
コーネル大学の研究、読みました。まさに私が実践していることがこのように裏付けられていてうれしいです。私自身は単に「どうしたら楽になるか」を考えただけなのですが、やっぱり人間工学的にもgoodなのですね。「楽」というのは重要な基準です。そもそもわたしは「楽」をしたくてMacを使っているのですから!!

でも、そんなことより何よりも、ravenさんの肩の痛みが和らいだことがうれしいです。よかったですね。やはり同じ姿勢を長時間続けるからには、限りなく負担の少ない姿勢がいいということなのでしょう。

この「塩澤メソッド」に気付いたのはコンパクトなHappy Hacking Keyboard Professionalを入手してからなのですが、実はそのはるか10年も前から、別の方法を行っていました。いわば「引き出し方式」です。事務デスクの真ん中にはたいてい薄くて幅の広い引き出しが付いています。私はキーボードをそこにいれ、キーボードケーブルは延長して引き出しのうしろを通してデスク下に置いてあるMac本体に接続していました。併用するのはマウスではなくトラックボールです。こうすると、デスクの上にキーボードを置くよりははるかに手が楽ですし、机上を広く使えますので書類を扱う事務作業に適しています。書物や資料を広げることもできます。またコンピュータを使うときには引き出しを引きますから、ちょっとだけ椅子(キャスター付き)をうしろに下げることになります。そうすると、当時はまだ大きなCRTモニターを使っていましたから、モニターから適切な距離に離れることができ、目にもやさしい。さらに、立ったり座ったりする際には引き出しをしめるだけ。至極快適でした。ただし、デスクによってこの方式の向き不向きがあるのが難点といえば難点です。

いずれにしても、いまは「塩澤メソッド」に大満足しています。「引き出し方式」とは根本的な差異があります。それは肘の位置、およびその角度が鋭角か鈍角か。「引き出し方式」は根本的には普通にキーボードを机上に置くのと同じですが、「塩澤メソッド」は肘が体側(たいそく)に位置し、100度程度になります。それだけで、肘、手首、肩、背中、首が楽になります。いままで、こんなに負担をかけていたのかと驚くほどです。お書きになっている通り、自然に姿勢がよくなりますよね。

来年帰国して自分の研究室に戻ったら、全く別の実験をしてみようかと思っております。2種類のことを考えています。こういう工夫を重ねるのってわくわくします。また新しいことに気づいたら、shiologyに書きます。

東プレのキーボード、よさそうですね。帰国したら、店頭で試し打ちしたいと思います。
またravenさんのblogも楽しみにしています (^_^)
どうもありがとうございました!!

塩澤一洋

投稿: shio | 2006年10月31日 13時35分

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