ハードディスク故障で泣かないPCの使い方
ノートPCが仕事の必需品になって、文房具と同じくらい当たり前の存在になったせいか、扱いがぞんざいな人をよく見かける。いつハードディスクが故障してもおかしくないと思う。よく見かけるのが次の2種類だ。
(1)PCを起動したまま持ち歩く
会議室に行くときやちょっと別の席に移動するときなど、ノートPCを起動して蓋を開けたまま持ち歩く光景は、いまではごく当たり前になった。この前は、新橋の歩道でこれをやっている人とすれ違った。操作していなくても、システムがハードディスクを読み書きしている。パームレストをつまむようにして持ち歩くと、落としたり、どこかに液晶ディスプレイをぶつけたりして壊す可能性もある。
(2)蓋をバタンと閉じる
PCを持って外出するとき、いちいちOSをシャットダウンする時間がもったいないと、蓋を閉めてスタンバイ状態でカバンに入れる人が多い。その使い方は問題ないが、蓋の閉め方は要注意だ。勢いよくパタンと閉じると、ハードディスクへの衝撃がけっこう強い。ポータブルCDを電車の中で聴いていても問題ないが、蓋を指でトントンとたたくと音飛びする。瞬間的な衝撃は、ハードディスクやCDドライブのサーボ機構で補正しきれないのだろう。
(3)蓋を閉じてすぐ鞄に突っ込む
蓋を閉じてすぐに鞄に入れるのも問題だ。PCがスタンバイ状態になるには、数秒から10秒かかる。それまではハードディスクが動作中だ。スタンバイ状態になったのを確認せずに、鞄に勢いよく突っ込むと、ハードディスクへの衝撃もかなりのものだろう。机や床など固い面に落とすよりはましかもしれないが。
ハードディスクの磁気記録面と読み書きヘッドの隙間はわずか10ナノメートル。たばこの煙の粒子より小さく、アルミニウム原子で数10個分しかない(参考記事)。最近のハードディスクは耐衝撃性が非常に向上したし、振動を検知してハードディスクの読み書きヘッドを安全な位置に移動させる機能がついている。とはいえ、稼働中になるべく衝撃を与えないに越したことはない。非稼働時の耐衝撃性は、稼働時に比べて格段に高い。
もちろんバックアップを頻繁に取る。面倒だが、いざというときの最後の砦だ。泣きを見ないために、会社のPCでも個人のPCでも、これだけは欠かせない。
参考記事
「いまさら聞けないITキーワード ハードディスク」(渡辺憲治、日経コンピュータ 2006年4月17日号)
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