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2006年12月の7件の記事

2006年12月31日

MacBook導入メモ

MacBookを妻用に買った。初めてのMac機でとまどうことが多い。なんとかWindows XPからデータや利用環境を移行できたので、メモとして残しておく。

●初期設定

電源投入後は、画面の指示に従って初期設定する。コンピュータの扱いに慣れている人なら、特に難しくはないはず。

無線LANは、初期設定画面で検出して、認証パスワードを入力すればすぐにつながる。Windowsより簡単だ。

初期設定が終わったら、自動的にアップデートの有無を検出し、あればダウンロードしてインストール。

●管理者アカウント

初期設定時に画面の指示にしたがって作ったアカウントが管理者権限を持っている。追加アカウントは、「システム環境設定」で作成する。管理者かそうでないかをチェックボックスで指定する。

通常は、別アカウントでログインするときは、いったんログアウトしなければいけない。shioさんによると、ログインしたままで、別アカウントでログインする方法があるとのこと。こんど試してみるつもり。

初期設定時のアカウント設定で、iSightで写真を撮影するステップがある。ちょっとビックリ。写真がいやなときは、プリセットのイメージ(猫や花など)から選べばよい。「システム環境設定」で変更可能。

●USBハードディスク、USBメモリ

ディスクもフラッシュメモリも、FAT32のUSBストレージはUSBポートに挿すだけで簡単に認識。これを使ってWindowsからデータを移行する。Windows機の必要データをコピーしておく。

●Outlook Expressのメール

メールボックスは、All Aboutの記事を参考に、UNIX mbox形式でエクスポートして、Mac のMailで読み込む。

「Windows のメール・ブックマークを移動する方法 Win版 OE からのメール移行」
http://allabout.co.jp/computer/macos/closeup/CU20031020conv/index.htm

OutlookExpress-To - OE5/6 Multi Converter
http://www.vector.co.jp/soft/win95/net/se229601.html


●Outlook Expressのアドレス帳

Outlook ExpressでCSV形式でエクスポートし、Macのアドレスブックで読み込むだけ。項目の対応付けで悩むかと思ったが、特に手を加えずに一発で完了。もっとも、住所などの他の属性は使っていないので、名前とメールアドレスだけ移行した。

●ブックマーク

IEでエクスポートしたHTMLファイルをSafariで読み込むと、日本語が文字化けする。URL自体はきちんと読み込めているが、これでは使えない。HTMLファイルの文字コードをUTF-8やEUCにしてみてもだめ。

結局、Firefoxをインストールし、まずIEからFirefoxへインポートした。これはうまくいった。次にFirefoxでHTMLファイルにエクスポートしてSafariに読み込む。これで日本語も正しく移行できた。

Safariを少し使ったが、Windows環境でFirefoxに慣れているので、Firefoxをデフォルトブラウザにする。

●iPhoto

Windowsのデジカメ写真ファイルをすべて、ホームディレクトリの「ピクチャ」ディレクトリにコピー。私は「YYYYMMDD(メモ)」形式のディレクトリで写真データを整理している。これをこのままコピー。

iPhotoでライブラリに読み込むと、デフォルト設定では、iPhotoのライブラリに写真をコピーする設定になっている。ディレクトリ構造を保ったままコピーしているが、一つ上に「2006」などの年ごとのディレクトリを作っている。Exif情報から判断しているようだ。

ちょっと考えたあと、iPhotoライブラリにコピーせず、別ディレクトリのままにすることにした。いったんライブラリを全部削除して、コピーしないように設定を変更し、もう一度読み込む。

iPhotoは、適当にいじっているだけでも面白い。スライドショーのセンスがよく、ちょっと感動した。

ただし、WindowsのIrfaviewに慣れているので、iPhotoでは不自由を感じることが多い。たとえば、Exif情報の閲覧。画像ビューワーを別にインストールする必要があるかもしれない。


●iTunes

次のブログを参考にした。移行前に、WindowsもMacも最新版にアップデートしてある。

Windows から Mac へ iTunes のデータ移行 [mac]
http://peace-pipe.blogspot.com/2006/02/windows-mac-itunes-mac.html

WindowsのiTunesディレクトリからiTunes Library.itlとiTunes Music Library.xml、そしてiTunes Musicフォルダ(音楽ファイル)をMacの「iTunes」ディレクトリの対応する場所にコピー。上の記事によると、これだけでiTunesにライブラリが表示されるはずだが、うまくいかない。

そこで、元からあるiTunes Library(拡張子なし)をデスクトップに移動し、iTunes Library.itlの拡張子を削除する。警告が出るが、そのまま続行。次にiTunes Libraryファイルの情報ウインドウを開き、開くアプリをiTunes.appに、そして常にこのアプリで開くように設定する。このファイルをiTuesで開くと、以前のライブラリ情報が見事に表示された。再生回数やレート、プレイリストもそのまま引き継いでいる。

拡張子を削除したときに、exeファイルのアイコンに変わってしまった。このままでも動作に問題はないが、ちょっと不格好。デスクトップに待避しておいたオリジナルのiTunes Libraryファイルからアイコンをコピーする。やり方はヘルプでわかった。

こういったアイコンや拡張子の扱いがWindowsとMacで作法がかなり違う。これに慣れるのが最初の難関だろう。

これまで使っていたiPodはWindowsフォーマット。そのままでも使えるようだが、Macintoshフォーマットにする。iTunes 7なら、iPodを接続した状態で「復元」ボタンを押すだけだ。

今回移行したWindows機は、iTunes関係ファイルがデフォルトの場所だ。もう1台のPCはiTunes Musicディレクトリを別の場所に移動している。この場合にも同じ手順で移行できるかどうかは不明。気になるのは、iTunesデータベースやxmlファイルと音楽ファイルのパス名の不整合だ。今回はコピーするだけでMacのパスに書き換えてくれたが、デフォルト以外の場所にインストールしていた場合に、これがうまくいくかどうか。


●Skype

Skypeホームページの手順に従ってインストール。Macのアプリケーションインストール作法もこれで覚えた。最初は、インストールパッケージをダブルクリックしたあとデスクトップに出来るアイコンが何かよくわからず、それをクリックしたりゴミ箱に入れたりしていた。

Skype for Macインストール手順
http://www.skype.com/intl/ja/download/skype/macosx/downloading.html

このアイコン(正しい呼び方はわからない)は実はフォルダになっていて、その中のアプリケーションのアイコンをホームディレクトリの「アプリケーション」フォルダにドラッグドロップする。Firefoxも同じだ。アプリの起動は、「アプリケーション」フォルダの拡張子appファイルをダブルクリック(拡張子を表示するようにFinderの設定を変えてある)。初回起動時に、Skypeのアイコンが自動的にDocに入る。ここまでやれば、デスクトップのアイコンは「取り出し」で削除できる。

と、ここまでは順調だったのだが、再ログインするとデスクトップのアイコンが復活してしまう。よくわからないので、そのままにしてある

アプリケーションのインストールも、Windowsと作法がかなり違う。Windowsに慣れた人がMacにスイッチすると、このあたりで迷うはず。考えてみれば、アプリのインストールは、Windowsでも慣れていなければけっこう迷う作業だ。Linuxもそう。プラットフォームごとの作法は、覚えて慣れるしかない。

●Office 2004

マニュアルの手順と画面の指示に従ってインストール。1回目は、プリインストールの体験版を削除し忘れたので、いったんアンインストールして、もう一度インストール。「Microsoft Framework ライブラリの読み込み中にエラーが発生しました」というエラーが出てちょっと焦ったが、何回かアンインストールとインストールを繰り返して、なんとか正常稼働できるようになった。このエラーはマイクロソフト技術情報がある。

Office 2004 for Mac SP2 のインストール後に Entourage 2004 for Mac、Excel 2004 for Mac、PowerPoint 2004 for Mac、または Word 2004 for Mac を起動するとエラー メッセージが表示される
http://support.microsoft.com/kb/908466/ja

●赤外線

Apple Remote用の赤外線ポートがパームレスト手前にあるが、携帯電話とは通信はできない。携帯のカメラで撮った写真をどうやってMacに取り込むかが課題。メールするのが一番手っ取り早いが、ランニングコスト(パケット料金)がバカにならない。携帯シンクでも買うか。

●Mighty Mouse Wireless

トラックパッドの2本指スクロールに感動しつつも、長時間使うならやはりマウスが便利。同時に買ったMighty Mouse Wirelessをインストール。添付マニュアル通りにやれば、あっという間に登録完了だ。

MacBookの電源を落とすとMighty Mouseも電源が切れるようだ。Logicoolのワイヤレスマウスと同じだ。

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2006年12月30日

フォルダ分けしないメール整理術

いつも頭を悩ませるのが、昔なら紙書類の管理、いまならメールの管理だろう。毎日大量に送受信するメールをどう整理して保存するか。私は以前、顧客別や製品別、プロジェクト別など、テーマごとのフォルダを作って振り分けていたが、いまは四半期ごとのフォルダに全部放り込んでいる。振り分けに頭を使わなくてよいので、非常に楽だ。

テーマ別フォルダの利点は、目的の情報を探しやすいということだった(その時点では)。あるユーザとのやりとりは、そのフォルダを見ると簡単に振り返ることができる。最大のデメリットは、振り分けに手間がかかること、そして振り分けられないメールが必ずあること。

考えてみれば、1通1通のメールをマウスでフォルダに移動する作業は、全く非生産的だ。自動振り分けは、メーリングアドレスのメールくらいにしか使えない。あとで見つけやすくするためと自分に言い聞かせてながらやっていたが、整理にかけるコストと、あとで得られるリターンを比較すると、確実に「赤字」だった。

中には1通のメールに複数の要件を書いて送ってくる人もいる。ビジネスメールの原則は1件1通だが、そんなことはお構いなしだ。その1人のために、テーマ別フォルダ管理は破綻する。同じメールを別のフォルダに重複コピーするという、汚い手段を行使せざるを得ない。

思い切って四半期フォルダの管理に切り替えたのが、今年の夏ごろ。最初は非常に不安だった。あらゆるメールが放り込まれたフォルダの中から、必要なメールを探し出せるのか。結果的には杞憂だった。救ってくれたのはGoogleデスクトップ。

参考にしたのは、GMailが招待制から登録制に移行した頃にネットで公開された参考記事の4つで、どれもGMailが提起した整理方法を基にしている。GMaiは「受信トレイ」「すべてのメール」「スターあり」の3つしか実質的なフォルダがない。自分でフォルダを作ることはできず、スターやラベルをつけて分類するだけだ。必要な情報を探すときは検索する。コンピュータの性能が向上して、検索機能が実用的なレベルになったことが、このインタフェースの背景にある。

まとめると、次の3つが「現代風」メール整理術の原則だ。
・受信箱に残すのは未処理のメールだけ。アクションを起こす必要があるものだけを残す。
・処理したメールはどんどんアーカイブフォルダに入れる。私は、フォルダが巨大になるのを避けるため、四半期ごとに分けている。
・アーカイブフォルダは細かく分けない。前述の通り、振り分け作業のコストはぜったに割に合わない。

(参考記事)
初心者のためのGmail入門(吉田有子氏、ITmedia Biz.ID)
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0608/24/news014.html

Gmailに学ぶ――大量のメールに振り回されない基本テクニック(Gina Trapani氏、ITmedia Biz.ID)
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0608/01/news014.html

メール受信箱を空にする方法(徳力基彦氏、ITmedia Biz.ID)
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0607/27/news037.html

721-060809 メールの扱い方(塩澤一洋氏、shiology)
http://shiology.com/shiology/2006/08/721060809__ac58.html

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2006年12月29日

Exchangeのキャッシュモード

私の会社はExchangeをキャッシュモードで運用している。メールや予定表などは全てサーバにあり、会社のOutlookクライアントでも、自宅のWebブラウザ(Outlook Web Accessを利用)でも同じデータを見られる。これは非常に快適だ。

前の会社はローカルにメールをダウンロードしてpstファイルに保存する運用だった。これだと、会社でダウンロードしてしまったメールは、他のPCでは読めない。いちおうOutlook Web Accessが使えたが、以前のメールを見られないため、記憶を頼りに返信していた。

もうひとつのメリットは、PCの故障時にデータを失う心配がないこと。私の周りには突然ハードディスクがお釈迦になってメールデータを失った人が何人かいる。いまはクライアントPCバックアップソフトを使っているようだが、それがなかったときは、あきらめるほかなかった。ほとんどの会社がこういう状態ではないだろうか。Exchangeキャッシュモードでメールがサーバにあれば、新しいPCにOutlookをインストールしてアカウント情報を設定して同期を取り直せば、元に戻る。データ量が数百MB以上あると少々時間がかかるが、帰り際に仕掛けておけば、朝出社したときには終わっている。

GMailをはじめとするWebメールも、サーバにデータがあるという点では同じメリットがある。一番の違いは、Outlookキャッシュモードは、オフライン状態でも全データにアクセスできることだ。オフラインで変更した予定表や連絡先、そして送信箱に放り込んでおいたメールは、次にオンライン状態になったときに自動的にサーバと同期をとったり送信したりしてくれる。

デメリットを強いて挙げると、サーバ側にディスクが大量に必要ということだろうか。とはいっても、1人が2GB使うとして、1000名の会社なら2TB。数年前だと非現実的な容量だが、いまではごくふつうの容量だ。PCへメールをすべてダウンロードする運用は、もはや時代遅れと言っていいかもしれない。

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2006年12月28日

ワームの見つけ方

社長のPCがワームに感染していた。幸い、他のPCに感染する前に駆除できた。うまくいったトラブルシューティングは、あとから振り返ればごく簡単に見える。実際には、何が起きているか分からず、暗中模索・試行錯誤の連続だ。他の人の役に立つかもしれないので、メモとして書いておく。

そもそもの発端は、月曜の朝、社長のPCがVPN接続できなくなったことだ。私の会社は規模が非常に小さいので、専用線で米国本社と接続するなどということはやっていない。ISP経由でインターネットに接続し、PCのVPNクライアントで本社ネットワークにつないでいる。そのVPNクライアントが、「VPNサーバが接続を拒否した」というメッセージを出力していた。聞くと、日曜は問題なかったとのこと。突然こういう状態になったそうだ。

私をはじめとする他の社員のPCは問題なく接続しているから、VPNサーバの問題ではない。私のIDでログインを試みても接続を拒否されるから、社長のIDが何かの原因で無効になっている可能性も考えた。

しかし、VPN接続が不要な社外のWebサーバをb閲覧していても、突然DNSエラーになってしまう。ネットワーク接続自体が不安定だ。VPNクライアントがDNS設定を書き換えたままにすることが以前にあったので、Windowsのネットワーク設定をひととおり見直したが、特に問題はない。

netstatを実行して初めて、問題の輪郭が明らかになった。見慣れないホストに対してSYNを送信している(SYN_SENTと表示される)。ドメイン名はISPやテレビ局、CATV局だ。社長が勝手にインストールしたプログラムが原因かと思ったが、このISPやテレビ局に心当たりがないという。

接続しようとしているプロセスIDをnetstat -oコマンドで調べ、Windowsタスクマネージャでプロセス名を確認する。タスクマネージャは、デフォルトではプロセスIDを表示しないので、「表示」→「列の選択」でプロセスIDをチェックしておく。SYNを送っているプロセスIDが見つかった。「symtea.exe」だ。PC内を検索すると、シマンテックのアンチウイルスソフトのフォルダにそのファイルがあった。私のPCにはない。

プロセスを終了し、ファイルを別フォルダに移動したら、ネットワーク接続は正常に戻った。Googleで「symtea」を検索しても、あまり情報がない。あとで調べようと、私のPCにコピーしようとしたら、アンチウイルスソフトに引っかかった。ワームだ。

社長のPCのアンチウイルスソフトで引っかからなかった原因も分かった。このワームは数日前に発見されたもの。ファイルのタイムスタンプをみると、社長のPCが感染したのは、その直後らしい、感染してネットワーク接続できなくなったため、シマンテックのウイルス定義ファイルを更新できなかったようだ。

感染経路はよく分からないが、シマンテックの情報によると、mIRCやネットワーク共有経由で感染するとのこと。社長のWindowsパスワードは英字のみだというから、これを破って侵入してきたのだろう。数字や記号を最低でも1時入れたパスワードにするよう、社長をはじめ、全員に指導した。Windows Updateも徹底しなければいけない。

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2006年12月27日

「それは仕様です」よりいくらかマシな返答

後出しジャンケンは卑怯だ。これをやられたら、誰でも怒るに決まっている。しかしIT業界のサポートの現場では、後出しジャンケンが日常茶飯事だ。

製品を使っていて期待通りに動かない、もしくはトラブルが発生する。ベンダーのサポートに調べてもらったら、返事は「それは仕様です」。英語なら「This is by design」だ。マニュアルにもリリースノートにも書いてないのに、いまさら仕様だといわれても困る。これはユーザとしても経験したことがあるし、サポートする側としても、不本意ながら言ってしまったことがある。相手は憤慨するかあきれるかだ。

根本的な問題のひとつは、製品が複雑すぎたり、使用時の自由度が大きすぎたりするため、開発者が想定していない使い方や状況に陥ることだろう。ユーザの使い方を設計時に完全に考慮することは不可能だ。ドキュメントの不備ももちろんある。製品マニュアルにはあまりネガティブなことを書けないから、制限事項はWebのわかりにくいところに申し訳なさそうに掲載していることが多い。パラメータの最大値やシステムが許容する最大オブジェクト数などが、よく問題になる。

いちおうコーディング通りに動作しているから、開発者の立場からはバグと言えない。強いて言えば「設計バグ」だ。こういった場合、機能強化要望として取り扱うのが一般的だろう。よほど商談にビジネスに影響がある場合は、営業部門から強力なエスカレーションを行い、仕様変更をパッチなどで出す場合もある。

こういう事態に陥ったときにサポートがやるべきことは、後出しジャンケンをされた相手の気持ちを考えて返答することだ。「申し訳ありませんが、現在はこういう作り込みになっています」と言えば、「それは仕様です」と切って捨てるように告げるよりいくらかマシではないだろうか。もちろん、「この作り込みが実情にそぐわない/お客様のお気に召さないのは承知しており、開発部門に修正を要請しております」と付け加え、実際その通りにリクエストを出してフォローすることも欠かせない。

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2006年12月24日

さようなら、サンノゼ直行便

200603sjc
アメリカン航空の成田~サンノゼ直行便、AA128便とAA129便が運休になった。10月中旬に出張した同僚はこれを使ったが、いまはAA.comの予約に出てこない。燃料費の高騰などで収益が圧迫されているためらしい。私が本社に行くときもこれを使っていたが、次回からサンフランシスコ便にしなければならない。せっかく覚えたサンノゼ空港からの道も、もう一度覚え直しだ。

8月の出張から帰るとき、サンノゼ空港の待合いロビーにあったのが、写真のポスター。15周年でその役目をとりあえず終えることになった。インテルや日本のサーバベンダーなどのIT企業の技術者が、この便に乗って太平洋を往復していたのだろう。日本のIT業界の発展を陰で支えていたのは間違いない。

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2006年12月20日

ユーザの温度測定

「○○社で重大トラブル発生。お客様が非常にお怒りだ。すぐに原因を究明して、解決策を提示するように」。販売代理店からこういうメールを突然受け取るのは、ベンダーのサポートマネージャの宿命だ。件名に「URGENT」が、ついでに感嘆符がいくつも付いていることもある。心臓にとても悪い。

もちろん、ユーザ先のトラブルを素早く解決するのが当たり前だ。しかし代理店が伝えてくるユーザの温度が、実際のユーザの温度を反映しているかどうかは、いちど確認しておく価値がある。代理店は、ユーザにいろいろと聞かれた場合に備えて、必要以上にたくさんの情報を欲しがることが多い。

本当に重大なトラブルでユーザがカンカンに怒っているのなら、関係部署にエスカレーションして体制を整える必要がある。関係部署というのは、外資系ベンダーの場合なら本社のサポートや開発部門だ。場合によっては日本や本社の経営陣に伝える必要もある。

適切なタイミングで、適切な相手に対してエスカレーションするのが鉄則だ。しょっちゅうエスカレーションしていると、そのサポートマネージャは信用されなくなるおそれがある。ユーザの状況をきちんと把握したりコントロールしたりできない無能な人間という烙印を押されて、「はい、さようなら」となりかねない。適切にエスカレーションするためには、ユーザの温度をきちんと把握しておかなければならない。

多くの外資系ベンダーが採っている代理店ビジネスという形態は、ユーザと直接の接点を持っているのが代理店だ。あいだにクッションが入るため、余計なフィルタや増幅がかかってしまいがちである。本来のビジネスの進め方から外れるが、早めにユーザと直接会話をして、相手の温度を測定しておくとよい。どの程度の情報が必要か、お客がどのくらい重大視しているかを正確に判断でき、余計な手間をかけずにすむ。

トラブル続きの製品を売っているベンダーの代表として出て行くわけだから、相当厳しい言葉をぶつけられるかもしれない。それが宿命だと腹をくくるしかない。優秀な営業がベンダーにいれば、ユーザとコネを持っていることも多い。そういう力強い営業に味方になってもらえるように普段からいいつきあいをしておくことも、サポートマネージャには欠かせない。

(本ブログの関連記事)

ビジネスメールに感嘆符は禁物
http://raven.air-nifty.com/night/2006/07/post_e68d.html

サポートマネージャの勝負ネクタイ
http://raven.air-nifty.com/night/2005/10/post_b182.html

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