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2007年2月の12件の記事

2007年2月28日

ニフティのタイムライン

ニフティが「タイムライン」というサービスを始めた。時間軸に沿って、写真を貼り付けたりメモを書いたりできるWebアプリケーション。個人的な記録やプロジェクト管理に活用できる。すでに公開済みの、タイムラインやRuby 1.9開発記録をちょっと眺めてみた。なかなか面白い。

良くも悪くも、私たちは時間というものに捕らわれている。これからやる予定もそうだし、過去の記憶も時間と結びついている。子どもの成長や友人との活動などを記録しようとすると、何月何日に何をしたとか何を食べたとか、時間をキーにするのがごく自然だ。ブログだって、日記のように日付ごとのエントリーを作るのが一般的な設定だろう。

万人に共通の「時間軸」という概念を応用した「タイムライン」。いいところを突いている。

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2007年2月27日

ビジネスメールのインラインコメントは是か非か

メールの返信には2種類ある。ひとつはOutlookやOutlook Expressが採用している方法で、相手のメールの上に元のメールの件名、差出人、そして「Original Message」などの行を挟んで、自分のメールを書くやりかた。相手のメールと自分の書いたものを完全に分離できる。もうひとつは「インラインコメント」で、相手のメールの中に自分の意見を書き込んでいくもの。どの部分に対して返答を述べているか一目瞭然というメリットがある。パソコン通信のころはインラインコメント方法が一般的だった。

どちらがよいかは意見の分かれるところだが、ビジネスメールでインラインコメントは使うべきでないと私は考えている。読み手に負担を強いる、書き手都合のやり方だからだ。

インラインコメントを書く側は楽である。相手のメールのこの部分にはこういう返事を、この部分にはこれをと、思いつくままに書けばよい。会話しているのと同じ気分で書ける。しかし、インラインコメントでのやりとりが続くと、以前のやりとりが判別不能になってしまう。インラインコメントを書く場合は、相手のメールの行頭に「>」などの引用記号を付けるのが普通だ。やりとりが続くと、引用記号が何個も追加されていって、かつメールソフトが行の途中で適当に改行してしまうなどして、誰がどの意見を書いたのか読み解くのがほぼ不可能になる。こんなメールを転送されたり途中からCCに付け加えられたりしても、議論の経緯が全くつかめない。

インラインコメントのもうひとつの欠点は、論点が曖昧になったり脱線しやすかったりすることだ。PCの画面では情報が画一化されてしまい、すべてが同じように見える。フォントや色などで文字を修飾できないプレーンテキストのメールではそれが顕著だ。メールに限らずビジネス文書では、重要なものとそうでないものを明確に分けて書くようにする心がけが欠かせない。重要なものは前の方に書いたり下線を付けたりするし、参考程度の情報は注釈や別紙にする。相手の議論の流れに沿って自分の意見を書いていくインラインコメントでは、自分の意見をだらだらと書き連ねた出来の悪いビジネス文書が簡単にできあがる。

言葉尻をとらえた無意味なやりとりになりやすいという欠点もある。私の周りには、「これは~~なんでしょうかねえ」「~のような気がします」という、ひとりごとのような文をインラインコメントでしょっちゅう書いて送ってくる人がいる。こういったところに生真面目に返答していると、話がどんどん脱線していってしまう。

私はパソコン通信の経験が長かったから、インラインコメント形式に慣れていて、Outlookの返信メールの形式はとまどいがあった。しかし現在は、インラインコメントをほとんど使わない。相手が読みやすいように配慮したメールを書こうとすると、インラインコメントは必要ない。非常に短いメールに対して、1回でやりとりが終わってしまうような非常に短い返信をする場合にインラインでコメントすることがある程度だ。

相手のメールに複数の論点があり、それぞれに自分の意見を述べるときは、相手の意見を集約した見出しをつける。そして見出しの行頭に「●」などの記号を添えて、文章の構造が一目でわかるようにする。上で述べたひとりごとのような箇所は、あえて無視する。もし相手が何か言ってきたら返答すればよい。何も言ってこないということは、本当にひとりごとだったんだと考えるようにしている。

やむを得ずインラインコメントをする場合に気をつけているのは、引用部分と自分の返信を明確に分けること。引用部分との間に空行を必ず入れるし、HTMLメールやリッチテキストメールならフォントの色を変える。引用行と返信行を連続して書いて送ってくる人や、引用行が5行~10行で返信が1行ということもある。どの行が相手の返信なのか、じっくり読まないとわからず、ストレスがたまる。

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2007年2月26日

汚いノートの効用

学生時代は、シャープペンシルでノートをとっていた。もっとさかのぼると、小学校ではもちろん鉛筆だ。「ロケット鉛筆」なる筆記具を使っていたこともある。要するに、「書いて消せる」筆記具を使っていたわけだ。

社会人になってもしばらくはシャープペンシルだった。しかし、ある記事を読んでボールペンに切り替えた。それは、「欧米の学生はボールペンでノートをとる。あとで間違いとわかったものでも、思考の過程を残すためだ」という内容。「欧米の学生がボールペンでノートをとる」というのが本当かどうか確かめてないが、この考え方には共感した。

思い返すと、鉛筆やシャープペンシルでノートをとっていたころは、「きれいなノート」を残そうという意識が強かった。思考の過程を残せるボールペンに対して、あくまで結果重視で正解重視。間違ったものは速やかに消して、正しいことだけをあとから読み返しやすいように記録するのが。鉛筆やシャープペンシルのノートだ。テスト偏重だった当時の学校教育の影響と言えるかもしれない。

斎藤孝氏の三色方式に出会ってからは、書いたものを赤でぐるぐる巻きにしたり、矢印を書き加えて関連を示したりと、ずいぶん「汚いノート」になった。しかしその反面、重要なところとそうでないところ、気になっている部分とそうでない部分が、ぱっと一目で見分けられる。

PCでメモをとる人をときどき見かける。私もやったことがあるが、タイプミスや変換ミスの修正で集中力をそがれるし、残ったメモが印象に残りにくいように思う。それはおそらく、PCの画面では情報が画一化されてしまうからだろう。Word形式のファイルやリッチテキスト形式なら、フォントを変えたり色を変えたり文字修飾を加えたりして、手書きノートに近いことができるが、そのスピードは手書きの比ではない。

PCのメモで思考の過程を残そうと思うと、Wordの校正履歴をオンにして、どこを修正したかを記録に残すという手がある。しかし修正のしかたよっては、元々どう書いてあったのか、どのように修正したのかを判別するのがとても難しいことがある。この点でも、手書きノートに軍配が上がる。

保存・流用・検索のやりやすいPCのデジタルメモと、汚くて印象に残る手書きメモの両方の長所を兼ね備えたメモツールが待ち遠しい。Windows Vistaで標準搭載となったタブレットPC機能が、その先鞭をつけている。10年後には、こういった技術が当たり前になっているのだろうか。

(当ブログの関連記事)
三色ボールペン読書術・情報活用術
http://raven.air-nifty.com/night/2005/09/post_a46d.html

三色ボールペンの機種変更
http://raven.air-nifty.com/night/2007/01/post_21c6.html

打ち合わせで使うノートの条件
http://raven.air-nifty.com/night/2006/11/post_576a.html

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2007年2月20日

「分けて考える」という原理・原則

ある一定レベルの仕事の成果を安定して出すには、「原理・原則」が欠かせない。「型」や「スタイル」と言ってもいい。トラブルシューティングでも営業活動でも、個々の状況に応じて臨機応変に対処しなければならないのはもちろんだ。しかし、どんな場合にも共通の、自分の行動の原理・原則となる型を持っていれば、判断に迷ったときのよりどころとなり、仕事の質が安定する。原理・原則はひとそれぞれだ。私の場合は、「見える化」「分けて考える」「仮説と検証」の3つを基本としている。

原理・原則を意識するようになったのは、10年以上前に受講した坂本善博氏(株式会社資産工学研究所・代表取締役)のセミナーだ。坂本氏が独自に開発したのが「原理・原則アプローチ」。坂本氏は、様々なノウハウを原理・原則としてワープロで書き留め、システム手帳に綴じ込んでいた。原理・原則の書き方さえ、1行何文字で行間はどのくらいに設定すると原理・原則化しているのが印象的だった。

そのセミナーの収穫はもうひとつ。坂本氏が原理・原則のひとつとして挙げた「分けて考えること」だ。これは非常に幅広い場面で使える、役に立つ思考の型だということがわかってきた。「見える化」や「仮説と検証」は、「分けて考える」ことを補佐する原理・原則といってもいいくらい、「分けて考えること」は重要だ。

様々なノイズが混じって何が何だかわからない状態から、情報が理路整然と整理されていて次のアクションが明確になっている状態にする。極論すれば、これが学問やビジネスなど、人間の頭脳活動の基本である。それには何らかの視点を導入して、それを評価軸にして類似しているものと異質なものを「分けて考える」意識が欠かせない。

したがって「分けて考える」ことは、誰もが日常的にやっているし、あまり意識していないだろう。たとえば、大きなプロジェクトを小さな作業項目に「分ける」ことは、プロジェクトマネージャなら必ずやっている。データ分析も「分けて考える」ことだ。収集した雑多なデータを、ある視点で「切り分けて」、何らかの意味を見いだすのが分析という行為だ。

サポートエンジニアのトラブルシューティングを「障害切り分け」と呼ぶことがあるように、これも「分けて考える」行為である。ログやトレースを様々な視点で読み込んで、問題箇所を絞り込んでいく。この過程で、様々な「分けて考える」が行われている。普段から出力されているメッセージとトラブル時にだけ見られるメッセージを「分ける」。障害の一次原因によるメッセージと、それに付随したり波及したりして起こったイベントのメッセージを「分ける」。重要なトラブルとそうでないものを「分けて考えて」優先度を付ける。

「分けて考える」ためには、分けるべきデータや情報が必要だ。それを集める作業が、最近ビジネス雑誌や仕事術の本を賑わせている「見える化」というもうひとつの原理・原則だ。トラブルシューティングでは、ログやトレースの収集がこれに当たるし、マーケティングでは市場動向や消費者調査がそうだ。しかし、「見える化」だけを追求しても、それだけでは片手落ちだ。あくまで「分けて考える」ための手段に過ぎない。油断すると、手段は目的化しやすい。見える化することが目的になってしまわないように注意する必要がある。本来やるべきは、「分けて考えて」次のアクションを明確にすることだ。

さて次のアクションを明確にするためには、もうひとつの原理・原則「仮説と検証」が役に立つ。「分けて考える」ときに使った視点や、そこから導き出した結果は、この時点ではまだ仮説にしか過ぎない。それを検証し、修正したり補強したりする必要がある。トラブルシューティングでは、ログ解析からある障害原因を推測するのが、仮説を立てることに相当する。LANケーブルに問題があるのではないかという仮説を立て、それを検証するために新品と交換してみるというのもそうだ。再現テストを実施したり、暫定修正モジュールを作ってテストしてみたりすることもあるだろう。「仮説と検証」の結果、もう一度「見える化」や「分けて考える」に戻り、このサイクルを何度も回すことも多い。

「見える化」「分けて考える」「仮説と検証」は、別に新しい概念ではない。それぞれ、いろいろなところで言い習わされている。意識するしないにかかわらず、誰もが自然とやっていることでもある。しかし、それを意識して普段の行動に組み入れることで、仕事の質は必ず安定するはずだ。状況が十分見えているか、分けて考える視点は適当か、仮説が十分に検証できているかなど、普段から心がけるようにしたい。

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2007年2月19日

情報処理学会が提言するコンピュータ博物館

昔のコンピュータを保管・展示する公的な博物館を作り、コンピュータの歴史を学ぶ場とするべきだと、情報処理学会が提言している。非常によいことであり、賛成だ。

コンピュータ博物館設立の提言
http://www.ipsj.or.jp/03somu/teigen/museum200702.html

私が知っているのは、富士通川崎工場の富士通テクノロジーホールくらいだ。ここは、リレー式計算機や、富士通コンピュータ生みの親である池田敏雄氏の自筆原稿などを展示している。日本電気や日立製作所はどうだろうか。ホームページを見る限り、それらしき施設は見あたらない。

この提言とは別に、歴史上の出来事や個人の業績に直接関わった機器や、著名なソフトウェアの歴史の展示も、ぜひこれから出てきて欲しいと思う。著名な文豪の展示館には、自筆原稿、原稿執筆に使った万年筆、書斎の机などを展示していることが多い。現在はパソコンで執筆する作家が多いから、作家の業績を集めた展示に、実際に使ったパソコンやキーボードを展示するというのは面白いと思う。

そして、一太郎やATOKのように著名な日本製ソフトウェアのソースコードの展示はどうだろうか。最新版のコードは企業秘密の固まりで無理だろうが、最初のバージョンのコードは公開可能なものもあるだろうし、ITの歴史を語るうえで保管・展示する価値が十分あるように思う。商用ソフトウェアだけでなく、初期の銀行オンラインシステムや生産ライン制御システムなど、企業の基幹システムのソースコードを保管・展示する必要もあるのではないだろうか。

情報処理学会が提言しているのは技術の継承のためのハードウェアの博物館である。もちろんハードウェアの展示は、モノを見せるという点でその効果が見えやすい。それだけでなく、コンピュータが我々の暮らしにどのくらい密接に関わってきたかを記録したり、コンピュータを動作させるのに欠かせないソフトウェアの展示も、同じくらい意義があることだと思う。

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2007年2月17日

アメリカの夏時間変更

今年から、アメリカの夏時間開始日と終了日が変わる。開始日は4月の第1日曜日から3 月の第2日曜日へ、そして終了日は10月の最終日曜日から11 月の第1日曜日に変更となる。日本だけで仕事をしているなら気にしなくてよいのだが、アメリカの本社とOutlookで予定を共有したり会議通知を送ったりしている私は、制度変更にあわせてPCやPDAのアップデートが必要だ。

マイクロソフトの告知は「米国およびカナダにて2007年より実施される夏時間の変更に備えて」だ。OutlookとiPAQ(Windows Mobile)で予定を同期している場合に必要なのは、Windowsオペレーティングシステム、Outlook、そしてWindows Mobileの3つのアップデート。

Outlookのアップデートは1月公開予定と書いてあるが、ダウンロードセンターにまだない。英語版/フランス語版/スペイン語版はすでに英語版ダウンロードセンターで公開済み。日本語版の開発が完了していないようだ。また、Windows向けのアップデートをサポート技術情報928388で提供すると書いてあるが、928388は931836で置き換えられている。日本語の告知は最終更新が1月10日。ちょっと滞っているようだ。

Windows Mobile向けのサポート技術情報は、日本語版がない。英語サイトの「Daylight Saving Time 2007 Update」をまとめると、次の作業が必要だ。


  1. PCのアップデート。「2007 time zone update for Microsoft Windows operating systems」をダウンロードしてインストール。
  2. Outlookのアップデート。「Outlook Time Zone Update Tool」をダウンロードしてインストール。
  3. Windows Mobileのアップデート。Windows MobileデバイスをPCにUSB接続し、「Daylight Saving Time 2007 Update Tool for Windows Mobile」をダウンロードしてインストール。

Windows Mobileのアップデートはいまのところ英語版のみ。日本語版でも使えるのかどうか気になる。タイムゾーン情報の更新だけだろうから、おそらく問題はないと思うが。Outlookのアップデート公開後に、一気にやってみよう。失敗しても、ハードリセットすればたぶん元に戻るはず。

(当ブログの関連記事)

アメリカ夏時間変更のその後
http://raven.air-nifty.com/night/2007/03/post_bf38.html

Outlookの新夏時間対応が完了
http://raven.air-nifty.com/night/2007/03/outlook_2ff0.html

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2007年2月15日

ActiveSyncのアップグレード

iPAQとPCを同期するソフトの新バージョンActiveSync 4.5がリリースされたのでアップグレードした。注意事項は、iPAQとPCのパートナーシップが削除されてしまうこと。接続時にもう一度パートナーシップを結び直さなければいけないが、何も考えずにこれをやると、PCとiPAQの予定表や仕事のデータがそれぞれに追加され、すべてのデータが二重登録になってしまう。

これを防ぐには、iPAQをいったん工場出荷状態に戻す必要がある。


  1. アップグレード前に、メインPCとiPAQを同期しておく。私は2台のPCとiPAQを同期している。PCのどちらかをメインマシンと決めておき、それとiPAQを同期する。このとき、ActiveSyncの「接続の設定」で、予定表や仕事が全てのデータを同期するように設定を変更してから同期する。

  2. iPAQのアプリは再インストールしなければいけないので、インストールファイルがあるかどうかを確認しておく。設定も工場出荷状態に戻るので、カスタマイズした項目をメモしておく。

  3. 念のため、Outlookのpstファイルをバックアップしておく。同期フォルダのファイルもバックアップ。

  4. ActiveSyncをアップグレード。PCの再起動が必要な場合がある。

  5. iPAQをハードリセットして工場出荷状態に戻す。iPAQ h4150の場合は、電源スイッチを押したままリセットボタンを押す。次に電源スイッチを離してからリセットスイッチを離す。

  6. USBクレードルでiPAQとPCを接続する。ウイザードに従って、パートナーシップを結ぶ。「標準パートナーシップ」、そして「2台のPCと同期」を選ぶ。

  7. ActiveSyncの「接続の設定」で、予定表や仕事が全てのデータを同期するように設定を変更。デフォルトでは、最近2週間の予定や終了していない仕事のみしか同期してくれない。全てを同期することで、メインPCのOutlookや同期フォルダから予定や仕事、各種ファイルが全てiPAQにコピーされる。

  8. もう1台のPC(サブPC)のpstファイルと同期フォルダのファイルをバックアップしたうえで、Outlookから予定や仕事データを、同期フォルダのファイルを削除。

  9. USBクレードルでiPAQとサブPCを接続する。ウイザードに従って、パートナーシップを結ぶ。「標準パートナーシップ」、そして「2台のPCと同期」を選ぶ。「接続の設定」で全てのデータを同期するように設定するのもメインPCと同じ。

  10. iPAQからサブPCに全データが転送され、3台のデバイスでOutlookと同期フォルダの同期が取れた状態になる。

  11. iPAQのアプリケーションをインストールし、元の設定にカスタマイズし直す。
  12. カスタマイズ項目は、


    • Today画面の壁紙と表示アイテム

    • メニュー表示アイテム

    • 「音と通知」で「各種イベント」のチェックを外す(メニュークリック時の音がうるさいので)

    • Decuma JapaneseとTomboのインストール

    • Decumaのマイシンボルに「→」を登録

    • Decumaの認識スピードを速めにする

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2007年2月12日

アップルストアのiPhoto 6ワークショップ

アップルストア銀座のiPhoto 6ワークショップに参加した。誰でも参加できる無料のセミナーで、予約は不要。場所は、映画館のような小じゃれた作りの、3階にあるシアターだ。椅子の座り心地も悪くない。

MacBookを買って、Windowsマシンの写真ライブラリをiPhotoに取り込み、いろいろ触っていたから、だいたいの操作方法はわかっていたつもり。それでも、このワークショップを聞く価値は十分あった。講師のお薦めTipsをいくつか聞けたし、たくさんある機能のうち、これが最も重要というもの使い方を体系立って学習できた。

写真の修整に役立ちそうなのは、「レタッチ」と「露出」。レタッチは、ゴミやシミなどを本当に簡単に取り除ける。Windowsマシンで使っているPhotoshop Element 3は、そう簡単にはいかない。「露出」は、露出ミスの写真を救うための機能。「明るさ」が写真全体の明るさを補正するため、露出不足の写真を明るくすると、全体に白みがかってしまっう。「露出」は中間階調の部分を補正するそうだ。影の部分の黒はそのままに、暗くなってしまった中間階調の部分を明るくできる。

どんなに修整しても、いつでもオリジナルに戻せるのがありがたい。どうやら、オリジナルの画像ファイルはそのままで、修整したファイルを別に保存しているらしい。Photoshop Elementだと、まず画像のコピーを作っておく必要がある。

デジタル写真の楽しみかたの1つがスライドショー。何でもない写真をかっこよく鑑賞できる。iPhotoは、画面切り替えのエフェクトが凝っているし、標準で入っている音楽もセンスがよい。さらに、作ったスライドショーをQuickTimeムービーやDVDにできる。以前、実家で撮った写真をYahooフォトアルバムに入れ、スライドショーのやりかたを兄に教えたのだが、結局手が出せなかったようだ。QuickTimeムービーやDVDにしておけば、コンピュータに詳しくない人に送っても心配ないだろう。

さすがアップル。本当によくできているソフトだ。ワークショップの講師のプレゼンテーションも素晴らしかった。Mac OS XやKeynoteのセッションも聞きに行こう。

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2007年2月 9日

パソコンで読む文章の行間を広くする

パソコンの画面で長い文章を読むのは結構疲れる。その理由のひとつは行間が狭いことだと、小寺信良氏が書いている(参考記事)。アルファベット圏で作られたパソコンの画面表示規格が災いして、日本語表示で行間が詰まって見えるという。なるほど、そうだったのか。

同じことが、「もっと『きれいな字!』が書ける本」(山下静雨、三笠書房)にも書いてある。文面が美しく見えるようにするには、字間は詰め気味に、行間は開け気味にしなさいと、この本は指導している。

そこで、パソコン画面で行間を広げる対策を2つやってみた。ひとつめは、いちばんよく使う秀丸エディタの行間設定だ。これまでもデフォルトよりもやや広めにしていたが、その2倍の「1/3」(単位は不明)に設定した。最初はちょっと間延びしたように見えたものの、ずっと見やすいということがすぐにわかった。

もうひとつはOutlookやWebブラウザ。テキストエディタと同じくらい使用頻度の高いアプリケーションだ。しかし、これらのアプリケーションには行間の設定がない。そこで、小寺氏が記事に書いていた「JSフォント」を使った。MSゴシックやMS明朝から、行間が広くとれる新しいフォントを生成するフリーソフトだ。メールソフトやWebブラウザの標準フォントにこれを設定すればよい。

もちろん、行間を広くすれば1ページ当たりの行数が減るから、いままで1画面で見られていたところをスクロールしなければいけないというトレードオフはある。トラブルシューティングでログファイルを解析しているときは、特にそうだ。そんなときは、行間設定やフォントを一時的に戻せばよい。場面に応じて設定を変えられるのがパソコンのいいところである。

秀丸エディタもJSフォントも、かなり以前からある定番ソフトだ。もっと早くからこの設定で使っていれば、目の疲れや、そこからくる肩こりがずいぶん違っていたかもしれない。

(参考記事)
ネットから長文が消えたいくつかの理由
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0702/05/news015.html

「行間の広い読みやすいフォント」(窓の杜)
http://www.forest.impress.co.jp/article/2000/02/14/jsfont.html


2007年3月16日追記
JSフォントを使うと、WebページをAcrobatでPDFに印刷する際にエラーになることが時々ある。FirefoxでJSフォントを使うのはやめ、コメントで教えていただいた行間拡大ブックマークレットを使うことにした。行間200%は少々間延びして見えるので、150%に書き換えて使っている。毎回ブックマークレットを起動するのが面倒ではあるが。

2007年12月29日追記
メイリオフォントをインストールした。行間が広くなって読みやすい。

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2007年2月 8日

MacのExposéをWindows XPで実現できるか?

Mac OS Xの目玉機能の一つがExposé。ウインドウをたくさん開いているときにF9を押せば、全ウインドウが縮小されて一覧で表示される。どれかをクリックすれば、そのウインドウが前面にくる。F10は同一アプリの別ウインドウの一覧表示、F11はデスクトップの表示だ。

Windowsでは、Alt + Tabでウインドウを切り替えている。Altを押したままTabを連打するのだが、目的のウインドウを行き過ぎることはしばしばで、Shiftキーを押しながら元に戻ったり、そのままTabをもう一度連打したり、とにかくせわしない。キー1つでウインドウを一覧表示できるExposéは、目から鱗が落ちるソフトだった。

Windowsにも、ウインドウをサムネイル(縮小表示)で並べるソフトがいろいろある。ここ数日間で試したものの簡単なレビューを書いておこう。

Alt-Tab Replacement
マイクロソフト純正のツール群、PowerToyの1つ。Alt + Tabの機能を強化し、各ウインドウのプレビューを表示してくれる。ただし、最小化しているウインドウはプレビューが表示されず、タイトルバーだけ。画面がちょっとチラチラするのも気になる。

SmallWindow
すでに開発が終了し、次に述べるAdmiralに吸収されている。動作は軽快だが、最小化しているウインドウはサムネイルにならないのが致命的。ホットキーが固定(Windows + F12、上辺中央部)なのもいただけない。マウスを右手で操作するから、ホットキーはキーボードの左側に配置したいところ。ちなみにExposéのホットキー(F9など)はカスタマイズ可能だ。

Admiral
SmallWindowでホットキーと除外ウインドウの設定ができるようになったのに加え、いくつか追加機能あり。基本動作はSmallWindowと同じで、最小化しているウインドウがサムネイルにならないのも同じ。

TaskCollection
ホットキーがカスタマイズ可能。デフォルトでは、ウインドウをサムネイル化するときのアニメーションが有効で、ThinkPad T42では少々もたつく。アニメーションなしで動かすと快適。
しかし、何もしていないときに突然どこかのウインドウの一部が別のウインドウに貼り付くという問題がある。PowerPointを立ち上げているときにこれが顕著。T42のグラフィックドライバとの相性か?

WindowLister
非常に高機能なソフト。画面がちょっとごちゃごちゃで、アニメーションがうるさい。サムネイル表示画面にカレンダーなどのアイテムがあり、これが消せない(やり方がわからないだけかもしれないが)。

ThumbWin
ほかのツールとコンセプトが異なり、ウインドウをあらかじめサムネイル化する手順が必要。新たに立ち上げたアプリケーションは、サムネイル化するまで表示されない。

この中ではTaskCollectionが、Exposéにもっとも雰囲気が似ていてよかったのだが、画面が崩れるところが致命的だ。結局、どのソフトも常用するに至っていない。

Windows Vistaは、複数ウインドウを3次元に重ねて表示できる「Windowsフリップ3D」が売り物だ。しかし要求するハードスペックが高すぎる。これと同等のことを、ごく一般的なスペックのハードウェアで実現しているMac OS Xは素晴らしい。

(2007年5月19日追記)
IntelliPoint 6.1のインスタントビューは、いままで試した中で動作がもっとも軽快だ。マウスホイールのクリックで全ウインドウをサムネイル化できる。キーボードでこれが起動できれば、モバイル環境でも使えるのだが。

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2007年2月 3日

Macをキーボード操作だけで使う

Windowsは、マウスを使わずにキーボードだけでほとんどの操作ができる。コピーやペーストはもちろん、Altキーとカーソルキーでメニューを選べるし、ダイアログの項目間の移動もタブキーでOK。マウスを使うより格段に作業効率がよい。マウスカーソルを移動するとゼロコンマ数秒から1秒かかる項目間の移動も、キーボード操作なら一瞬で「テレポーテーション」できる。マウスカーソルの位置が合わずに空クリックする無駄もない。

Photo
Macを使い始めて最初に感じた違和感が、キーボード操作ができない場面が多いこと。右の写真は、電源スイッチを押したときに表示する画面。Windowsなら、タブキーでボタン間を移動できる場面だが、Mac OS Xではできない。カーソルキーもだめ。マウスを使わなければならず、面倒だ。

メニューに英字キーが割り当てられていない点もWindowsと異なる。メニュー項目やボタン名の後ろに括弧付きで書いてある下線付きの英字、「アクセス・キー」のことだ。Firefoxでリンクのコンテキストメニューを出すと、WindowsならTキーでリンクを別タブで開け、CキーでURLをクリップボードにコピーできる。キーボードのホームポジションから手を離さなくてよいし、右クリック→英字キーの2アクションだけ。ところがMacでは、項目を選択するのにカーソルキーを数回押さなければならないから、右手の動きが多い。

アクセス・キーをMacで再現するのは無理だが、ダイアログのボタン間の移動は、設定でWindowsと同等にできる。設定箇所は、「システム環境設定」→「キーボードとマウス」→「キーボードショートカット」。「フルキーボードアクセス」が、デフォルトで「テキストボックスとリストのみ」になっている部分を「すべてのコントロール」にすればよい。

Photo_1
設定後は、システム終了オプション画面が右のようになる。いちばん左の「再起動」ボタンに青い枠が付いていて、このボタンにフォーカスがあることがわかる。タブキーでフォーカスを移動してスペースキーを押せば、そのボタンを押した動作となる。Enterキーを押すと、この画面では「システム終了」を実行してしまう。この点もWindowsと挙動が異なる。

2007/03/07追記
shiologyのshioさんから、「S」を押せばスリープ、「R」を押せば再起動、キャンセルは「ESC」で操作できると教わった。ありがとうございます。

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2007年2月 2日

電車の中ではボールペンもマナーモードに

電車の中で本を読むときも、三色ボールペンは必需品だ。しかし、色を切り替えるカチカチという音は、ヘッドホンの音漏れのように、周りの人を不快にしているかもしれない。最近使い出したゼブラのクリップオンは、この音が特に大きいようだ。このカチカチ音が主観と客観の切り替えを意識するのによいと斎藤孝氏はいうが、人様に迷惑をかけるのはまずい。

Cliponmanner
ゼブラに「クリップ-オンG 3C マナー」という3色ボールペンがある。ペンの頭部を回すと「マナーモード」に切り替わり、ノック音が87%低くなるという。ところが、銀座の伊東屋にもOffice DepoやOffice 24にもない。新橋の本屋のレジ横ででようやく見つけた。黒・赤・青の3色ボールペンだから、三色方式に使うために、黒のリフィルを緑と取り替えた。

マナーモードにすると、芯が戻るときにシュッとこすれる音がするだけで、戻りきったときのカチッという音がしない。これなら、電車の中で気兼ねなく使える。

(当ブログの関連記事)
三色ボールペンの機種変更
http://raven.air-nifty.com/night/2007/01/post_21c6.html

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