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2007年2月19日

情報処理学会が提言するコンピュータ博物館

昔のコンピュータを保管・展示する公的な博物館を作り、コンピュータの歴史を学ぶ場とするべきだと、情報処理学会が提言している。非常によいことであり、賛成だ。

コンピュータ博物館設立の提言
http://www.ipsj.or.jp/03somu/teigen/museum200702.html

私が知っているのは、富士通川崎工場の富士通テクノロジーホールくらいだ。ここは、リレー式計算機や、富士通コンピュータ生みの親である池田敏雄氏の自筆原稿などを展示している。日本電気や日立製作所はどうだろうか。ホームページを見る限り、それらしき施設は見あたらない。

この提言とは別に、歴史上の出来事や個人の業績に直接関わった機器や、著名なソフトウェアの歴史の展示も、ぜひこれから出てきて欲しいと思う。著名な文豪の展示館には、自筆原稿、原稿執筆に使った万年筆、書斎の机などを展示していることが多い。現在はパソコンで執筆する作家が多いから、作家の業績を集めた展示に、実際に使ったパソコンやキーボードを展示するというのは面白いと思う。

そして、一太郎やATOKのように著名な日本製ソフトウェアのソースコードの展示はどうだろうか。最新版のコードは企業秘密の固まりで無理だろうが、最初のバージョンのコードは公開可能なものもあるだろうし、ITの歴史を語るうえで保管・展示する価値が十分あるように思う。商用ソフトウェアだけでなく、初期の銀行オンラインシステムや生産ライン制御システムなど、企業の基幹システムのソースコードを保管・展示する必要もあるのではないだろうか。

情報処理学会が提言しているのは技術の継承のためのハードウェアの博物館である。もちろんハードウェアの展示は、モノを見せるという点でその効果が見えやすい。それだけでなく、コンピュータが我々の暮らしにどのくらい密接に関わってきたかを記録したり、コンピュータを動作させるのに欠かせないソフトウェアの展示も、同じくらい意義があることだと思う。

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