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2007年7月 9日

ノートPC持ち出し禁止というセキュリティポリシーの是非

情報漏洩対策として、ノートPCの持ち出しを禁止している会社がある。それを否定する気はないが、やり方によっては弊害が大きい。

ノートPCも携帯電話もなかったころ(80年代~90年代初頭)、営業や作業で外出した社員は、夕方になると伝票処理などをしに会社に戻らなければならなかった。外出先で各種の事務処理をできるようにし、生産性を落とす移動時間や会社での事務処理をなくすことができたのは、ノートPCやモバイル環境のおかげだ。ノートPC持ち出し禁止はこれに全く逆行し、20年前の仕事環境に戻れと言っているに等しい。

中には、代替策をきちんと手当てしている会社もある。たとえばダイキン(参考記事)。どのオフィスでも同じようにメールを読み書きできるように、Thunderbirdをカスタマイズしたメール環境を自社で構築している。もっとも、この環境を構築した理由は、ノートPC持ち出し禁止するためではなく、ノートPCが普及していないころに、共有PCで個人のメールを読み書きできるようにするためであったのだが。

私が仕事で付き合っている会社はこれと全く反対だ。ノートPCが持ち出し禁止で、メールを見るには会社に戻らなければならない。生産性が落ちて従業員に不満だが、会社のポリシーだからとみんなあきらめている。話を聞くと、モチベーションが相当落ちていると感じる。この会社の人にメールを出すときは、送信したあと電話で確認したり、メールをあきらめて最初から電話で連絡したりと、手間がかかって仕方がない。さらに、何とか効率的に仕事しようと、こっそり私物PCを使うという悪循環に陥っているようだ。

こういう会社には転職したくない。せっかく転職した会社がガチガチのセキュリティポリシーで、仕事がやりにくくてしょうがないと、自分の力を十分に発揮できない。面接のときに、どのくらい厳しいポリシーを持っている会社か、自分の仕事スタイルにあった環境が揃うのかを確かめておきたい。


(参考記事)
ダイキン工業はなぜ「Thunderbird」を選んだのか
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0703/09/news112.html

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