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2007年9月29日

パートナービジネスモデルのメリットとデメリット

海外ベンダーが日本市場に参入する場合は、十中八九、パートナービジネスモデルを採用する。どこの馬の骨かもわからない海外ベンダーから直接製品を購入して、自社のITインフラに使う企業は少ない。日本で名の知れたシステムインテグレータ経由で購入する道を、ほとんどの企業が選択するだろう。

ユーザ企業にとってのメリットは、ひとことで言えばリスク軽減である。たとえば、

・ベンダーが撤退した場合でもインテグレータにサポートを継続してもらう。
・ベンダーが開発を中止しないように睨みをきかせてもらう。
・インテグレータによる徹底的な検証で品質を担保する。

などだ。つまり保険をかけながら最新技術を利用できる。短所は、パートナーが検証の工数や利ざやを稼ぐためにコストを上乗せするから、直接調達に比べて価格が高くなることだ。保険料と思うしかない。

ベンダーにとっては、商慣習や文化がきわめて異なる日本市場でのビジネスノウハウをインテグレータから吸収する、あるいはアウトソースすることで、参集障壁が低くなるというメリットがある。外国の企業を個別にサポートしたり要望をヒアリングしたりするのは、言葉や文化の壁で苦労が絶えない。パートナーが日本の窓口となってサポートやヒアリングを代行してくれれば、その効果は非常に大きい。

逆にベンダーにとってのデメリットは、パートナー1社が数多く販売することで、トラブルの傾向や品質が丸裸に近くなることが挙げられる。直接販売モデルであれば、大量に調達する製品や大企業を除いて、ユーザ企業から見えるのは自社が経験したトラブルだけである。一方パートナーは、数多くのユーザに販売・サポートすることで、どんなトラブルが多いかという傾向を把握することができる。たとえばロット不良がおきたり、バージョンアップで品質が低下したりすると、その説明や対策にベンダーはかなりの労力を取られる。

一般的にいって日本企業は、トラブルを修正するだけでは満足せず、原因と対策を詳細を説明するように求める。欧米ユーザもそういった説明は要求するが、要求の細かさや深さで日本企業は段違いだ。これはベンダーにとって短期的にはコスト増でデメリットであるが、雨降って地固まるという言葉のように、これをうまく乗り越えてパートナーとの信頼関係をより強固にしたり品質を向上させたりできると、日本市場でのビジネス拡大につながり、ベンダーにとってもメリットとなる。

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