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2008年3月20日

当たり前のことをあえて文章にする

ブログをやっていると、何か他の人が思いつかないものや、今まで誰も書いていない画期的なことを書きたいという「色気」が出てくる。この罠にはまると、書こうと思っても書けない。「こんな事を思いついたが、当たり前すぎてブログに書く気が起きない」とか「検索してみたら、同じようなことを書いている人がいた」と。

たとえば、トラブルシューティングの基本はログ解析である。ログのなかから異常イベントを見つけ出し、前後のイベントから問題箇所を絞り込む。その過程で、それぞれのエンジニアが様々なテクニックを使っているはずだ。私は秀丸エディタの機能を駆使している。文字列検索はもちろん、正規表現の検索や強調表示も使うし、、そしてフォントサイズやフォント種類、そして一行の文字数なども変化させながら、ログを読み解いていく。マクロに組み込んでショートカットで呼び出せるようにしている。息をするようにやっているが、慣れない人が見ると、相当なテクニックが詰まっていると思う。息をするようにやっているだけに、これまで文章化したことはない。

しかし、自分で当たり前と思っていることが、実は経験の少ない若い人たちには目から鱗だということはあるだろう。自分の考えや頭の中を文章にすることで客観視できるようになり、考えを整理したり深めたりすることもできる。

サポートチームのミッションの一つとして、ナレッジベースや技術除法の拡充をあげることがよくある。私がいま所属しているチームもそうだし、前の会社でも半分ノルマのようにして技術文書を書かせていた。公開技術情報を充実させることで、サポートコール数を減らそうという意図である。このときも同様に、サポートエンジニアがごく当たり前と思って書かないでいることことが、ユーザには非常にありがたいノウハウだということはあり得る。

これは暗黙知の形式知化である。頭の中だけにある知識・知恵は、その人だけしか使えず、その人もいつも使えるわけではない。文章化して形式知化することで、他の人と共有し、自分も安定して使えるようにある。その際に、自分の経験に基づく具体例を入れておくと、それはユニークでオリジナリティのある文章になる。

当たり前のことを当たり前としてやり過ごさず、形式知化する。いかにも地味な作業である。しかし自分にとっても他人にとっても、きわめて有用な作業である。

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