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2008年10月19日

アップグレードしないユーザ

問題修正のためにパッチ適用やアップグレードを勧めても、なかなか首を縦に振らないのが日本のユーザや代理店である。もちろんアメリカにもそういうユーザはいるが、日本の頑固さは群を抜いているはずだ。理由は、「問題が解決するかどうかはっきりしないのに作業時間をとれない」「アップグレードやパッチで解決しても、他の問題が出るのが怖い」。それはうなずけるが、うんざりすることもある。

遅かれ早かれアップグレードはやらなければいけないし、してもしなくてもトラブルは出る。新しい何かをやることで問題が出て責任を問われるのが怖いから、少しでも問題を先送りにしようとしているのではないか。減点主義の悪影響で、役所や大企業にこの傾向は強いと思う。

短期的な結果を求められるアメリカ企業なら、打てる手は次々と打つ。問題が出たら、それを解決するための手を打つという考えが強いようだ。「アメリカが」とひとくくりにするのは少々危険であるが、シリコンバレーは確実にそういう雰囲気だ。東海岸はもっと保守的かもしれない。

背景には、できたことを評価する加点主義や褒める文化があるのだろう。失敗しても(ほかの会社で)またチャンスが得られるという社会的背景やコンセンサスもある。こういう社会では、なんだかんだと言い訳ばかりして物事を先に進めない人間は不要だ。たとえ失敗したとしても、チャレンジして前向きに進んでいく人間が重用される。失敗したということは、それだけ経験値が上がったということでもある。日々是無事という考え方はありえない。

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