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2009年2月の5件の記事

2009年2月27日

映画の中の使えるセリフ(スタバでの注文編)

高校を卒業して九州を離れるまで、実家の近くや通学経路にファーストフード店なるハイカラなものは無く、部活動が終わったあとは、高校の近くのラーメン屋に行くのが普通だった。

仙台の大学に入って数年して、マクドナルドやミスタードーナツが街の中心部にできた。東北新幹線開通ともに、一気に都会化が進んだころだ。しかしどうやって注文するのかよく分からないので敬遠していた。飲み会か何かの帰りに友だちと一緒にミスドに入ったのがはじめてだった。

都会生活が十分長くなったいまでは、ファーストフード店に尻込みすることはない。しかし、スタバは苦手だった。中をうかがうと、なにやらたくさんメニューがあって、しかもカタカナで書いてある。フラペチーノって何? しかもおしゃれな女性がたくさんいる。レジでもたもたしていると、白い目で見られそうだ。

トム・ハンクスとメグ・ライアンの映画「ユー・ガット・メール」を見たのは、ヒアリングマラソン1000時間のために、映画館やDVDで洋画を浴びるように見ていたときだ。その冒頭、トム・ハンクスが出勤途中にスタバに寄ってカプチーノを注文するシーンがある。これだ。これを真似すればいいんだ。そのセリフを完璧に覚えた。そしてスタバに行った。

「カプチーノ、トール」

無事注文できてほっとした。

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2009年2月18日

マニュアルを超えた顧客対応

2009年2月17日放送の「プロフェッショナル仕事の流儀」(NHK)で、羽田空港の主任航空管制官・堀井不二夫氏が取り上げられた。パイロットの気持ちに寄り添いながら指示を出す彼の仕事に、多くのパイロットたちが信頼を寄せる。「共に、空を飛ぶ」というキーワードを番組は使っていた。

例えば、十分離れていてニアミスの恐れもないので、本来は何も告げる必要のない近くの航空機の存在をひと言添える。これによって、「あなたをしっかり見ています」というサインを送っているのだ。これはマニュアルを超えた対応である。若い航空管制官が、堀井氏の背中を見てそのスタイルを学んでいた。

「日経コンピュータ」が毎年行っている顧客満足度調査で、マニュアルを超えた対応が必要とされている(2008.8.15号)。顧客満足度を向上させる取り組みが各社に浸透した結果、通り一遍の顧客対応は標準化・マニュアル化されて、そこでは差が付かなくなったし、顧客はそれ以上を常に求める。

顧客の心をつなぎ止めるにはどうすればよいのか。顧客と接する担当者一人ひとりが本当に顧客の身になった対応をするしかない。(中略)マニュアルや顧客の想定を超えるところから、次のCS向上運動は始まる。

マニュアルを超えるということは、あらかじめ想定して体系化することもできないということである。一人ひとりがその場の状況に応じてで創造的に対応する必要がある。社員教育でこれを身につけさせることができるだろうか。難しい課題だが、堀井氏の姿を見ていると、OJTで密に指導すれば可能であるとも思える。

しかしその一方で、個人の資質はどうしても外せない要素であるとも思う。番組が追いかけていた若手航空管制官は、自分から堀井氏に指導を仰いでいた。こういう積極性は必須であろう。さらに、自分の考えをしっかり持ちつつも、新しいことを吸収する頭の柔らかさも必要だ。そして創造力。マニュアルを超えた対応も、ひとたび定式化されると陳腐化してしまう。その次を常に模索し、問題意識を持って作り出していく姿勢が欠かせない。

マニュアルを超えた対応ということは、言い換えればルールを破っているとも言える。「日経コンピュータ」の記事で、ある自治体で起きたサーバのハードディスク障害のエピソードが紹介されていた。

東北地方のK市の情報システム担当者は国産大手メーカーの「マニュアル外」の対応に惚れ込んだ。
(中略)
そのときなんとメーカー技術者がサーバーを横倒しにした。するとサーバーは無事に起動、データの救出にも成功して事なきを得た。「さすがプロ。マニュアル外の技を持っている」と担当者は称賛する。

どの程度勝算があってやったのだろうか。うまくいったからいいようなものの、二次障害を起こしていたら、とんでもない無茶をやったと責められるかもしれない。勝てば官軍という面はある。マニュアルを超えた対応は、常に未知の新しい領域である。多少の失敗を責めるか、それとも今回はうまくいかなかったがいい取り組みだったと褒めるか。上司にもそれに応じた素養が必要なのかもしれない。

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オランダの雇用対策(ワッセナー協定)

日経ビジネスのポッドキャスト「伊藤洋一のビジネストレンド」でオランダの雇用対策を取り上げていた。伊藤氏の話には「?」というところがときどきあるので注意が必要だが(特にIT関係)、ひとまずポイントをメモしておく。

オランダは以前、失業率が10%にも達し、「オランダ病」と揶揄されるほどだった。政労使の協定(ワッセナー協定)により、賃金抑制・雇用創出・減税を実施した。その結果、若者の雇用が増えて企業が活性化し、企業の競争力が増すというポジティブなスパイラルが回り出した。いまでは欧州の優等生である。企業が従業員を削減するとき、仕事のできるベテランを残して若者を減すことがあるが、このやり方だと職場が硬直してしまう。

オランダのやり方をお手本とするべきという声を聞く。しかしよく考えると、同じヨーロッパでもオランダしかできていないのである。政労使の話し合いが伝統的にもたれてきたという歴史的背景があるのだろうか。結果だけ真似てもうまくいかない。要注意だ。

(参考記事)
伊藤洋一のビジネストレンド第173回「ワークシェアリングは根づくのか?」1月26日公開
http://nikkei-pod.stream.ne.jp/www09/nikkei-pod/radio/biztrend/biztrend-090126-pc.mp3

「ワークシェア導入論浮上 政労使、痛み分かち合い」(「日本経済新聞」2008年12月26日朝刊3面) [2008年12月26日(金)](佐藤孝弘、怒涛の読書日誌@東京財団)
http://blog.canpan.info/satotakahiro/archive/105

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2009年2月17日

正社員と非正規社員の分かれ目

2008年12月15日のNHKスペシャルで、派遣労働者問題を取り上げていた。正規・派遣労働者の雇用を守るにはどうしたらいいか。一例としてオランダの取り組みが紹介された。オランダでは、仕事内容が同じであれば正社員と同じ賃金が非正規社員にも支払われるし、非正規社員への職業訓練も企業が負担している。バラ色のように見えるが、その反面、政府や企業の負担をカバーするために、消費税は19%である。

別の民放番組では、派遣労働者支援団体の代表や、経営破綻した京急ホテルに残って仕事を続ける料理長らが、金融危機を引き起こした元凶の代表としての外資系金融マンと対決するという構図で対談していた。わかりやすい二極構造を示して、外資系金融マンを悪者扱いするという意図があったのだろうが、金融マンの発言でその構図が崩れてしまった。その金融マンは派遣労働者生活を送っていたことがあるが、その立場に甘んじてはいけないと一念発起し、いまの地位を勝ち取ったという。彼と話をする派遣労働者支援者の矛先が明らかに鈍った。

我が身を振り返ってみると、外資系日本法人、特にまだ日本市場で地位を固めていない小さな会社の社員というものは、正社員であるものの、いつ首を切られるか、いつ会社が無くなるか分からないという点で、派遣労働者と同じように不安定な身分である。しかし山一証券の破綻で分かるように、もはや大企業といえど、正社員の身分が保障されているわけではない。いま取引のある日本企業で、正社員にもかかわらず、事業縮小に伴って解雇となったものが何人かいる。正社員/非正規社員を問わず、万が一の場合に備えて、自ら身を守る準備をしておくべきだろう。

私が最初に就職した会社は国内有数のコンピュータメーカだ。そこで私の上司課長が言ったひとことがいまでも記憶に残っている。

「君たちのやることや言うことをお客さんが信用してくれるのは、あくまでこの会社の看板があるからだ。看板が無くても社外に対してアピールできるだけの実力を付けなさい。」

その手段として彼は資格取得を推進していた。資格は客観的な指標になるから、持っていて損はない。とくに社会人数年目の若い人たちには勧めたい。ただ、私にとって資格は、あくまで手段のひとつにすぎない。書類選考や面接で資格を評価するときは、資格の種類にもよるが、基礎的な素養は持っているだろうという一次フィルタ程度に使う。いちばん大事なのは、これまで何をやってきたか、そしてこれから何ができるか(できそうか)である。

正社員と非正規社員という立場を決める要素にはいろいろあると思うが、本人の努力がもちろん非常に重要なのはいうまでもない。池田信夫氏が述べているように(参考記事を参照)、現代の企業は、能力のある人材を長期間抱え込むために正社員として雇用するのである。代替可能な仕事はなるべくコストをかけずにすませたいから、非正規社員を一時的に雇用する。

もちろん本人が努力にも関わらず乗り越えられない事情もあるだろうし、正社員よりずっとできる派遣社員がいるのも十分承知していると補足しておく。

(参考記事)
19世紀には労働者はみんな「派遣」だった(池田信夫 blog)
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/78d36ac0e6fa382a3cdfa1e4cfd43669

正社員はなぜ保護されるのか(池田信夫 blog)
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/6f25d91562dde99852b461cf6e7f7179

「オランダのワークシェアリング」(プラネット・TIMES)
http://www1.ntv.co.jp/news/wmtram/news_dw.cgi?movie=081222094.cgi.56k.125599.html

棟岳寺で「オランダ祭り」-オランダ元在住者が日本文化との違いを講演(金沢経済新聞)
http://kanazawa.keizai.biz/headline/351/


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整った字を書くのに効果的な「六度法」

祖父が書いた字が実家に残っている。習字のお手本になるくらいの達筆である。小学校教師だった母も字がきれいだ。その祖父と母の血を受け継いでいるはずの私は、どうにも人にお見せできるような字が書けない。小学生の時に習字の塾に数年間通ったが、効果はなかった。

社会人になったころからワープロやパソコンが普及して、その恩恵を大いに享受している。あまりその恩恵にあずかってしまってキーボードばかり叩いているせいか、ここ10年くらい、字がどんどん下手になってきた。字を書くという行為は要するに運動だから、使っていない筋肉や神経はどんどん退化するわけだ。

せっかく万年筆なるものを使っているのだから、祖父仕込みとまでいかなくても、整った字を書きたいと思い、本屋でペン字の本を探した。ボールペン習字の本がよりどりみどりだ。1冊買って読んでみたが、この字はこう書く、この字はこうすればよいと、覚えることがたくさんありすぎて身につかない。すべての字の書き方をひとつひとつ覚えなければいけないのかと思うくらいで、気が滅入ってしまった。

その次にやったのが「DS美文字トレーニング」。これは結構面白かった。書いた字を採点してもらって褒められるといい気分になるものだ。人は褒めて伸ばせということだ。しかし、これも結局、すべての字の書き方を覚えなければならない。本と違って大量の漢字のお手本を見ることができるから、その点はありがたいが。

富澤敏彦氏の「六度法」を知ったのは、NHKの5分番組「まる得マガジン 簡単ルールできれいな字を書く」のテキストを本屋で見つけて、再放送を見たのが最初だった。六度法のルールは3つしかない。

  1. 横画を約6度の右上がりにする。
  2. 右上がりの横画とバランスを取るために右下に重心をかける。
  3. 点画の間隔を等しくする。

自分の字がきれいに見えない原因が、横画が最後にへなっと右下へ落ちてしまうことと、点画の間隔が不揃いだということが分かってきた。

昨年秋には行書のコース「簡単ルールで大人の字を書く」が放送され、これまた非常にためになった。楷書は本当にきちんと書かないときれいにならないが、六度法のルールを守った上で行書で字を少し崩して書くと、それなりに見栄えのする字になる。どちらの番組もDVDに残し、iPodに入れてときどき電車の中で復習している。

六度法を覚えてからの字は、人様にお見せして自慢できるにはほど遠いが、多少なりとも整ってきたような気がする。

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