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2016年7月の1件の記事

2016年7月20日

iCloudミュージックライブラリの諸問題~Apple Muscは曲名とアーティスト名だけでマッチ

以下の記事は2016年夏までの仕様で、現在は音紋(Acoustic fingerprinting)による高精度のマッチ処理になっている。

 

iTunes Matchは音楽ファイルのAcoustic fingerprintingでマッチしているが、Apple Musicのマッチはメタデータだけを使っており、これをiTunes Matchと同じアルゴリズムに変えようとしているという噂が出てきた。

Apple begins rolling out iTunes Match with audio fingerprint to Apple Music subscribers
http://www.loopinsight.com/2016/07/18/apple-begins-rolling-out-itunes-match-with-audio-fingerprint-to-apple-music-subscribers/

iCloudミュージックライブラリはもう使っていないが、テスト環境でいろいろ試してみた。以前調べたときは、メタデータでマッチングしているように見えなかったのだが、曲名とアーティスト名でマッチしている。しかし日本語の処理に問題があるようだ。

Apple Music Matches Files with Metadata Only, not Acoustic Fingerprinting | Kirkville
http://www.mcelhearn.com/apple-music-matches-files-with-metadata-only-not-acoustic-fingerprinting/

Apple Musicに存在しない適当な曲のAACファイルをiTunes 12に取り込み、曲名を「Can’t Feel My Face」、アーティスト名を「The Weeknd」に変えてiCloudミュージックライブラリを更新した。いったんiCloudの状況が「アップロード済み」になってマッチしなかったように見えるが、再度iCloudミュージックライブラリを更新すると「Apple Music」になった。iPhoneからiCloudミュージックライブラリの曲を聴くと「Can’t Feel My Face」が流れる。アートワークも収録アルバム「Beauty Behind the Madness」になった。アルバム名や作曲者名などが空白でもマッチする。要するに曲名とアーティスト名しか見てない。

iTunes 12でApple Musicのカタログを見ると、アーティスト名が「ザ・ウィークエンド」と表示される。しかしアーティスト名を日本語表記にすると、全然マッチしない。マッチに使っているメタデータと、iTunes 12やiPhoneミュージックアプリに表示するデータが必ずしも一致しない。原語表記と各国語表記を処理やUIによって使い分けているようだ。

曲名やアーティスト名が全然違う曲にマッチしているのは、日本語処理のバグ、もしくはバグではないが不適切な仕様によるもののようだ。例えば以下のような誤マッチがある。

  • 「CLOSE YOUR EYES」(山下達郎)が「CLOSE YOUR EYES」(山下久美子)にマッチ
  • 「明日の記憶」(宮本文昭)が「明日への路 (feat. 上間綾乃)」(宮本笑里)にマッチ
  • 「風笛」(宮本文昭)が「風笛」(宮本笑里)にマッチ
  • 「風と少年とタマゴ(宮本文昭)が「風の伝説」(宮本由利子)にマッチ。
  • 「運命の対決」(大島ミチル)が「運命の扉」(大島はるな)にマッチ
  • 「ローマの松 I. ボルゲーゼ荘の松」(小澤征爾/ボストン交響楽団)が「ローマの平日」(小森田実&ALPHA)にマッチ。

この6パターンをじっくり見ると、日本語の曲名やアーティスト名は最初の数文字しか使ってないように思える。ひらがなを無視しているかもしれない(中国語と処理を共通にするため?)。2015年11月に誤マッチしたのと同じことが現在(2016年7月)にも起きるから、Apple Musicのマッチ処理はこの半年で全然変わってない。

さて、噂通りAcoustic fingerprintingでマッチするようになるのだろうか。当のニュース記事は、一部のユーザから徐々に広げていくと書いてある。しばらく経ってiCloudミュージックライブラリを更新すると、誤マッチした上記の曲が正しくマッチもしくはアップロードに変わるのだろうか。ついでにアルバム名もマッチに使ってくれれば、オリジナル盤とベスト盤の曲が混在することもなくなると思うのだが。

(2016年8月2日追記)
私のアカウントがAcoustic fingerprintingでマッチするようになっていた。上に挙げた誤マッチが全て修正され、正しい曲が流れるようになった。以前はマッチした曲のiCloudの状況が「Apple Music」だったのが、いまは「マッチ」と表示される。

アタッカでつながるトラックの片方だけがマッチすると、つなぎの部分が音飛びしたり不自然だったりするものがある。そもそもつなぎ目のないマスターからトラックを切り出しているから、手持ちCDと配信ファイルで違うことがあるんだろう。つなぎ目の不自然さは、真剣に聞いてなければたぶん気付かない。ただしゲルギエフ指揮ウィーンフィルの「展覧会の絵」は、CDとApple Musicでトラックの切り方が完全に違ってて、マッチした「バーバ・ヤガー」とアップロードした「キエフの大門」の間の上昇音型が2回流れる。

(2016年9月21日追記)
トラックの継ぎ目の他に、トラック間の音量差が気になることもある。Apple Musicは全体的に音量が大きめだ。CDから取り込んだファイルはそれに比べて音量が小さめ。アルバムを頭から順に聴いていると、音量が急に大きくなったり小さくなったりする。

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