整った字を書くのに効果的な「六度法」
祖父が書いた字が実家に残っている。習字のお手本になるくらいの達筆である。小学校教師だった母も字がきれいだ。その祖父と母の血を受け継いでいるはずの私は、どうにも人にお見せできるような字が書けない。小学生の時に習字の塾に数年間通ったが、効果はなかった。
社会人になったころからワープロやパソコンが普及して、その恩恵を大いに享受している。あまりその恩恵にあずかってしまってキーボードばかり叩いているせいか、ここ10年くらい、字がどんどん下手になってきた。字を書くという行為は要するに運動だから、使っていない筋肉や神経はどんどん退化するわけだ。
せっかく万年筆なるものを使っているのだから、祖父仕込みとまでいかなくても、整った字を書きたいと思い、本屋でペン字の本を探した。ボールペン習字の本がよりどりみどりだ。1冊買って読んでみたが、この字はこう書く、この字はこうすればよいと、覚えることがたくさんありすぎて身につかない。すべての字の書き方をひとつひとつ覚えなければいけないのかと思うくらいで、気が滅入ってしまった。
その次にやったのが「DS美文字トレーニング」。これは結構面白かった。書いた字を採点してもらって褒められるといい気分になるものだ。人は褒めて伸ばせということだ。しかし、これも結局、すべての字の書き方を覚えなければならない。本と違って大量の漢字のお手本を見ることができるから、その点はありがたいが。
富澤敏彦氏の「六度法」を知ったのは、NHKの5分番組「まる得マガジン 簡単ルールできれいな字を書く」のテキストを本屋で見つけて、再放送を見たのが最初だった。六度法のルールは3つしかない。
- 横画を約6度の右上がりにする。
- 右上がりの横画とバランスを取るために右下に重心をかける。
- 点画の間隔を等しくする。
自分の字がきれいに見えない原因が、横画が最後にへなっと右下へ落ちてしまうことと、点画の間隔が不揃いだということが分かってきた。
昨年秋には行書のコース「簡単ルールで大人の字を書く」が放送され、これまた非常にためになった。楷書は本当にきちんと書かないときれいにならないが、六度法のルールを守った上で行書で字を少し崩して書くと、それなりに見栄えのする字になる。どちらの番組もDVDに残し、iPodに入れてときどき電車の中で復習している。
六度法を覚えてからの字は、人様にお見せして自慢できるにはほど遠いが、多少なりとも整ってきたような気がする。
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